漫画原作者・武論尊、ヒグマとニアミス「もう少しでやられてた」 自律神経失調症との闘い語る
武論尊、ヒグマとニアミス 自律神経失調症との闘い語る

漫画原作者の武論尊さんが、池上遼一さんとの共作『サンクチュアリ』の連載中に突然休養を取り、北海道の牧場で生活した際、ヒグマとニアミスしていたことを明かした。また、デビュー当時から患っている自律神経失調症との闘いについても語った。

牧場でのヒグマとのニアミス

武論尊さんは、連載が佳境に入っていた時期に休むことを決めた。周囲からは「何で今、休むの?」と言われたという。自分の中の何かが「このまま続けたらパンクするよ」と訴えたと振り返る。ちょうど厄年のころで、「本当に厄年って来るんだ」と思ったという。

北海道の牧場を選んだ理由について、武論尊さんは「北海道の自然の中っていうのと、ちょっと肉体労働がしたかった」と説明。漫画の原作を書く世界と全く違う世界に行って、漫画を忘れたかったのだろうと話す。「きれいな自然と、きつい肉体労働とに自分を突っ込んでみよう」という思いがあったという。

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たまたま知り合いの競走馬の牧場主に「ちょっと遊びに行けば面倒見てくれますか?」と聞いたところ、「いいよ」と承諾され、寮に入れてもらって働くことになった。芝刈り機で作業していた際、うるさくて何も聞こえなかったが、気配を感じて後ろを振り向くと、刈って整理した跡にヒグマの足跡がついていたという。「あ、横切っていった」とゾッとし、「うわ、もう少しでやられてた」と恐怖を感じた。ヒグマの姿は見ていないという。

自律神経失調症との闘い

武論尊さんは、デビューしたころに自律神経失調症を患った。第1次石油ショック(昭和48年)のとき、朝起きたら歩けなくなってしまい、喫茶店に入れない、電車に乗れない状態になった。診察を受けると「見事な自律神経失調症ですね」と言われたという。

今でも少しドキッとすると「あ、来るな」と感じるといい、自律神経失調症の人間を見たときや、そういうニュースを見た瞬間に「来る来る」となるという。「結構不安と闘う仕事なんですよ」と語り、毎回良いものが書けるわけではないため、どこかで悩み、不安がたまっていくのだと話す。

人間ドックなどで診察しても体には異常が出なかったが、ある医者の一言で治ったという。「あ、岡村さん(本名)ね、この病気で死んだ人いないから。苦しかったらその辺のベンチで寝なさい。日本は全部助けてくれるから」という言葉だった。今でも「あ、これで死ぬヤツいねえな」と思い出すと楽になるといい、「とてもいい先生でした」と振り返った。

牧場での休養後、同じような逃亡はないといい、「悩まなくなったんですよ、仕事でね。『頑張らなくても、しょせんこんなもんだな俺は』って納得できる感じになった」と語る。いざとなったらまた牧場に行けばいいという開き直りで、精神的に強くなったという。

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