憲政史上最大級ロッキード事件50年、米公文書と吉永資料が示す日米政治の闇と法の支配の謎を上智大教授が解説
憲政史上最大級ロッキード事件50年、米公文書と吉永資料が示す日米政治の闇と法の支配の謎を上智大教授が解説

ロッキード事件は30億円もの金が動き、日米関係の舞台裏の闇をのぞかせた憲政史上最大級の事件だ。上智大学の奥山俊宏教授(ジャーナリズム論)は、米国立公文書館で公文書を調べ、事件に関する著書を刊行した識者として、その教訓を語る。

田中角栄と法の支配

自民党最大派閥の領袖として首相退任後も「闇将軍」と呼ばれ、政府や政界を10年近く動かし続けた人物は、後にも先にも田中角栄氏しかいないのではないか、と奥山教授は指摘する。そんな権力者でも「法の下では裁きを受ける」という、法の支配が全うされたことを示す事件だったという。

米公文書と吉永資料が示す新事実

米国では事件の公文書を残し、秘密解除が進む一方、日本に残る公文書は質も量も劣る。ロッキード事件の刑事裁判記録はいまだ閲覧すらできない。そうした中で、吉永氏の残した資料は、捜査現場を生々しく伝え、知られざる新事実を含む第一級の資料だ。例えば、後に首相になった竹下登氏が事情聴取で現金授受を認めていたことは、資料で判明したことだと奥山教授は述べる。

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報道機関の守秘義務と公共性

報道機関は「公共の関心事か」「その報道が公益目的か」を判断し、すべてがイエスであるときに限って記事を公表する。通常、そうした記事の内容に守られるべき「秘密」は含まれない。今回の資料を伝えることは守秘義務違反には当たらない。そもそも日本政府はロッキード事件の真相を徹底解明して国民の前に明らかにすると約束しており、その約束が資料によって実現したと奥山教授は説明する。

残された謎と検察への信頼

ロッキード事件の全体像はいまだ分かっていない。日本にばらまかれた30億円のうち、行き先が解明できたのは一部に過ぎない。ロッキード社は民間機だけでなく自衛隊向け軍用機も売り込もうとしており、その工作活動の捜査は途中で打ち切られた。一方、総理大臣経験者であっても法に触れれば捜査され裁かれたことで、日本の刑事司法システムや検察特捜部への国民の信頼は非常に高まったと評価する。企業から要職の者が秘密裏に金銭を受け取ることは政治や行政をゆがめ、特に外国企業からの場合は国益を害する恐れがあると指摘する。

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