柳田国男と新渡戸稲造の直筆書簡、奥州の重要文化財旧高橋家住宅で発見
柳田国男と新渡戸稲造の直筆書簡、奥州で発見

岩手県奥州市水沢の国指定重要文化財「旧高橋家住宅」で、「遠野物語」で知られる民俗学者の柳田国男(1875~1962年)や「武士道」著者で盛岡市出身の新渡戸稲造(1862~1933年)らが大正時代に書いた手紙やはがきが見つかった。高橋家の12代目にあたる農学者の高橋陸郎(1887~1917年)へ宛てたもので、歴史的価値が高いという。

大正時代の書簡14点を確認

2011年に国の重要文化財に指定された「旧高橋家住宅」は、地元の大地主だった高橋家の旧住宅。2万点を超える歴史的資料が残っているとされる。市教育委員会が6月に資料の一部を調べたところ、柳田や新渡戸ら5人の手紙やはがきなど計14点が見つかった。いずれも高橋へ宛てたもので、1914年(大正3年)と翌15年(大正4年)頃に書いたとみられる。

柳田国男の編集姿勢を示す内容

高橋は当時、柳田の編集する雑誌「郷土研究」に寄稿していた。柳田の手紙には高橋の原稿の掲載報告とともに、「内容を害せさる範囲ニ於て書改め」とある。見つかった手紙の内容から、柳田は誌面を節約するため、内容を損なわない範囲で高橋の原稿を手直ししていたことがうかがえる。

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新渡戸の手紙は、高橋が自署の序文執筆を依頼したことに対する承諾の返事が書かれているとみられる。このほか、北海道帝国大学初代総長を務めた花巻出身の佐藤昌介(1856~1939年)らが高橋へ宛てた手紙も確認された。

「柳田国男全集」編集委員の石井正己・東京学芸大名誉教授は、「柳田は当時、貴族院書記官長の要職にありながら、『郷土研究』を毎月編集し、刊行していた。発見された手紙を読むと、柳田が地方の文化人を尊重し、丁寧に対応していたことがわかる。貴重な資料だ」としている。

展示スケジュールと問い合わせ先

見つかった手紙やはがきは、えさし郷土文化館(奥州市江刺岩谷堂)で今月23日まで展示。同26日~9月10日は市埋蔵文化財調査センター(同市水沢佐倉河)で、11月14日~12月20日には市牛の博物館(同市前沢)で展示する。問い合わせは市教委歴史遺産課(0197・34・1315)。

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