熊本地震は28日で発生から1カ月を迎えた。被災した子供たちの居場所をつくろうと、NPO法人「カタリバ」(東京)は熊本県内の自治体施設など10カ所以上で遊び場「みんなのこども部屋」や勉強スペースを提供してきた。2学期が始まるのに合わせ、多くの施設で活動を終了する予定だ。
「みんなのこども部屋」、現在11カ所で開設
カタリバは被害の大きかった地域を中心に、現在11カ所で遊び場を開設。子供が遊べるおもちゃや器具を用意し、スタッフ数人が見守っている。利用の中心は4歳から小学生までだが、高校生までを対象とした場所もある。
今は元気そうに見える子供たちでも、心に大きなダメージを負っている場合もあるといい、同NPOなどは子供のメンタルケアに注意を呼びかけている。
子供たちの変化と家族の不安
熊本県氷川町の自営業、本田照美さん(50)は「遊び場を利用することで、子供が一日の出来事をよく話すようになった」と話す。地震発生時は外出していてけがはなかったが、自宅はガラスの小物類や植木鉢が割れ、タンスが倒れるなどの被害を受けた。
地震発生から数日後、長男で中学1年の奏さん(13)は突然呼吸困難と全身じんましんで救急搬送され入院。クルミによるアレルギーとみられる。アレルギーが起こったのは初めてで、医師からは「地震の影響がないとは言い切れない」と言われた。次男で小学2年の環さん(8)も余震が続く中、以前より口数が減ったという。
環さんは同町の竜北西部学童保育所で開かれている「みんなのこども部屋」をほぼ毎日利用するようになると、徐々に元気を取り戻していった。本田さんは「夏休みは地震の思い出になってしまったが、子供の笑顔が戻ってよかった」と語った。
活動終了へ、日常への切り替えを支援
カタリバの事業責任者、石井丈士さんは「(被災後は)おんぶやだっこなど甘えてくる子供が多い。人と触れ合うことで、ストレスや不安を和らげようとしているんだと思う」と指摘。2学期開始に伴い、今月末で活動をほぼ終了させる予定で、「子供たちには日常に戻り、気持ちを切り替えてもらうため、事前に終わりだということを伝えている」と言う。
熊本県はホームページで、被災した子供に現れやすいストレス反応として、赤ちゃんがえりをする▽甘えが強くなる▽災害体験を遊びとして繰り返す―といった変化があると紹介。周囲の大人に対して、スキンシップの機会を増やすことや、落ち着いて受け止め、話を聞いてあげるように推奨している。



