最大震度7を観測した7月の熊本地震で、熊本県内の運動施設も大きな被害を受け、発生から1か月が経過した現在も利用できない状況が続いている。中でも県営八代野球場とリブワーク藤崎台球場は、高校野球の会場としても知られる施設で、被害の影響が長期化する恐れがある。
八代野球場の芝生隆起、ブルペンに亀裂
震度6強を観測した八代市の県営八代運動公園では、八代野球場の芝生が隆起し、ブルペンでは地面に亀裂が生じた。陸上競技場も同様の被害を受けたが、安全が確認できたとして、12日からトラックの一部を除いて利用を再開する。野球場は被害調査を進めているが、再開時期は見通せていないという。
公園長の平田彰臣さん(45)は「早く八代地域が日常を取り戻せるよう、日々の練習や体を動かす機会が失われている時間を一日でも少なくしたい」と早期再開への思いを語った。
藤崎台球場は空調落下、避雷針も損傷
熊本市中央区のリブワーク藤崎台球場では、地震で空調が落下したほか、外野照明に設置された約5メートルの避雷針が折れ曲がり、発生から利用できない状態が続いている。同球場を本拠地とするプロ野球独立リーグ・九州アジアリーグの「火の国サラマンダーズ」は、地震発生以降ホーム戦6試合が延期となり、8月下旬から山鹿市民球場や大分県で振替試合を行うなどの影響が出ている。
野島雄大球団代表は「熊本のファンの近くで試合ができず、非常に悔しく感じている。厳しい状況でも変わらず応援してくださるファンの皆様に少しでも恩返しできる機会をつくっていきたい」とコメントした。
高校野球大会は会場変更、藤崎台は補修へ
県高校野球連盟は、12日から藤崎台球場と八代野球場で開催予定だった九州地区高校野球熊本大会について、八代野球場から山鹿市民球場に会場を変更して開催することを決めた。藤崎台球場は再開に向けて補修を進めており、管理する一般財団法人「県スポーツ振興事業団」は「秋の県大会に間に合わせるように復旧に努めたい」としている。
県高野連の斎藤輝久理事長は「メイン会場の藤崎台球場が使えるめどが立ち、安心した。限られた環境の中で最大限のことをやっていきたい」と話した。1960年に完成した藤崎台球場は、施設老朽化などの理由で県が2025年に移転再整備を決定。熊本市、玉名市、菊陽町、甲佐町の4市町が誘致先に名乗りを上げ、県は今秋をめどに移転先を決める予定だったが、熊本地震の発生を受けて年内の選定作業を凍結した。



