神戸市は7月から、市が管理する防犯カメラの映像を兵庫県警に提供するまでの流れを完全にオンライン化した。犯罪発生から速やかに捜査を進めてもらうためで、市によると全国初の取り組みとなる。事務作業が減り、県警が映像を入手する時間を短縮できるという。
設置台数と増設計画
市は2020年以降、子どもや女性が犯罪に遭うのを防ごうと、通学路や駅前を中心に防犯カメラの設置を進めてきた。今年3月末時点で4200台あり、「神戸市カメラ 見る&守る」のステッカーが目印だ。
昨年8月に中央区のマンションで女性が刺殺された事件が発生したことなどを受け、今年度中にはさらに1300台増やし、計5500台とする。
映像提供の現状と課題
カメラの映像は、県警が強盗や窃盗、特殊詐欺などの容疑者を特定したり、犯罪行為を明らかにしたりするために活用されている。市は昨年度、警察から4016件の照会を受けた。2021年(645件)と比べると約6倍に増えている。
カメラは通信機能付きで、映像の取得は以前からオンラインで可能だったが、県警は申請文書をファクスで市に送信。その前後に複数回の電話やテスト送信をし、映像入手まで少なくとも1時間かかっていた。
オンラインシステムの導入効果
市は、カメラ増設も見据え、専用のオンラインシステム上で手続きを完結できるようにした。所要時間は約20分短くなる。ファクスの誤送信防止や担当職員の負担軽減も期待される。
市防犯対策課の鈴木康真係長は「事件の早期解決で、犯罪抑止にもつながれば」と話す。
県警の活用実績と今後の展望
県警によると、昨年、県内で摘発した刑法犯のうち、容疑者特定のきっかけが防犯カメラやドライブレコーダーの映像となったのは計2368件。そのうち殺人や強盗、不同意わいせつなどの重要犯罪は153件で、摘発の端緒は防犯カメラなどの映像が最も多かった。
県警側は神戸市内12警察署に加え、刑事部など県警本部の部署も直接データを得られるようになる。県警生活安全企画課の黒田祐調査官は「行方不明者の捜索などにも有効。これからも各市町と連携して防犯環境を整え、地域の安心安全につなげたい」と話した。



