厚生労働省によると、国の制度を利用して1989~2025年度にサハリンから一時帰国した人は2104世帯3046人、永住帰国を果たした人は83世帯224人に上ることが分かった。永住帰国者の多くは道内で生活しているが、サハリンなどに残る子や孫らと離れて暮らす人もいる。
樺太に暮らしていた邦人と帰国を巡る歴史
樺太(サハリン)には、1945年時点で邦人約38万人が暮らし、うち約2万3000人は朝鮮半島出身者だった。同年8月のソ連軍侵攻を受けた緊急疎開や46年以降の集団引き揚げで、日本人の多くは帰国したとされる。
ただ、引き揚げが認められなかった朝鮮半島出身者の男性と結婚した日本人女性や、ソ連に労働力として留め置かれた技術者らは、帰国を断念せざるを得なかったという。56年の日ソ国交正常化を受け、集団引き揚げは57年に再開されたが、59年に終了した。
帰国支援の始まりと現在の支援体制
国は88年、樺太残留邦人が帰国する際の旅費を支給する支援制度を創設。民間団体の支援も受けて、90年に集団一時帰国が実現した。現在は、首都圏中国帰国者支援・交流センター、NPO法人「日本サハリン協会」(東京)などが、一時帰国や永住帰国を支援している。



