2025年に開校した静岡県伊豆市の市立伊豆中学校に、県内の中学校で唯一となる「110番非常通報装置」が設置されている。ボタン一つで県警に事件発生を伝えられ、警察官が駆けつける仕組みだ。同校の担当者らは「万が一のときには有効活用できるように備えておきたい」と話している。
不審者侵入を想定した訓練
8月28日に同校で行われた訓練では、刃物を持った不審者役の警察官が校内で暴れ回る想定だった。来客者用の玄関から侵入し、生徒たちの教室がある2階のフロアに進むと、包丁を取り出し、教員に襲いかかった。すかさずスタッフが110番非常通報装置のボタンを押し、県警に事件発生を報告した。
2階の教室前では、教員たちがさすまたや給食を運ぶ台を使って男の動きを制止。警察官が通報から現場に到着するまでの平均時間を考慮し、通報から約8分後に警察官が到着する想定で行われた。教室に残った生徒たちは教員の指示に従い、机と椅子を教室の扉に寄せたり重ねたりしてバリケードを設置し、不審者の確保を待った。
約500人が参加し安全確保を確認
この日の訓練には生徒や教員ら約500人が参加した。訓練後の全校集会では、伊豆中央署の宮前辰也生活安全課係長が安全確保の方法について講話を実施。生徒たちに、教員の指示に従うことに加え、休み時間など教室外にいた時に事件が発生した場合は、不審者がいる場所とは反対方向に逃げるなど、自分で判断することが重要だと伝えた。
訓練に参加した3年の男子生徒(15)は「バリケードは机をぐちゃぐちゃに重ねると安全性が高いとわかった」と話した。駿藤衛校長は「実際に事件が起きればパニックになると思う。新しい装置も設置されたので、訓練を重ねてちゃんと使えるようにしたい」と述べた。



