いわき信用組合(福島県いわき市)の不正融資問題を巡り、同信組が不正に関与した元役員20人に約32億円の損害賠償を求めている訴訟で、少なくとも8人の被告が請求棄却を求める答弁書を福島地裁いわき支部に提出したことが分かった。
訴訟の概要と被告側の主張
訴訟は、昨年12月に同信組が同支部に起こした。江尻次郎・元会長ら元役員20人を相手取り、不正に積極的に関与したり、他の役員の違法行為を監視する義務を怠ったりして組合に損害を与えたと主張。不正融資や反社会的勢力への提供などで外部に流出した資金や、不正の解明にかかった弁護士費用など計約32億円を連帯して支払うよう求めている。
請求棄却を求めた被告の代理人弁護士によると、答弁書では、役員がそろって不正問題に関する謀議を行っていたわけではなく、全容を把握しているのは江尻元会長らに限られていたとしている。「ガバナンスの機能不全や監督官庁らの職務怠慢があった環境の中で、個々の役員に期待しえた現実的な行動がどのようなものであったかが検討されなければならない」などと訴えている。
進行協議での争点整理
6月30日、同支部で非公開で開かれた進行協議では、争点や今後の段取りが話し合われた。訴状で20人が不正全体に対して連帯して責任を負うとする原告側の主張に対し、被告側は個々の職務怠慢行為を具体的に特定するよう求めた。一方、原告側は、9月30日に予定されている弁論準備手続きを前に、主張を補充した書面を提出することになったという。



