熊本地震の発生から28日で1か月となった。最大震度7の激しい揺れに見舞われた被災地では、多くの人が心の整理ができないままでいる。
妻を失った男性の思い
28日夕、商業施設「イオンモール熊本」(熊本県嘉島町)の爆発事故で妻を失った30歳代の男性は、献花台を訪れた後、「本人がここでまだ働いている気がして、『早く帰っておいで』と声をかけた」と報道陣に語った。
妻は施設内にあったアパレル大手「オンワードホールディングス」(東京)の店舗で働いていた。この日、男性は妻とともに犠牲になった同僚の遺族と花や写真を持参し、「悲しむ余裕すらなく、まだ現実を受け入れられていない」と心境を明かした。献花台には従業員を知る客らも訪れ、花を手向けて涙を拭っていた。
各地で黙とう
煙突が倒壊し9人が犠牲となった日本製紙八代工場(熊本県八代市)の正門付近では、地震発生時刻に施設の解体工事をしていた作業員ら約20人が倒壊した煙突の方角を向いて整列し、黙とうした。工場の操業再開の見通しは立っていない。
近隣に住む62歳の男性は「工場は地域にとって大きな存在だった。9人もの人が亡くなったのは悲しい。遺族へのサポートはしっかりとしてもらいたい」と話した。
宇城市では、県外からの応援を含む約260人の職員が震源地に向かって1分間、黙とうした。市内では多数の家屋が被害を受け、避難生活を送る住民も多い。末松直洋市長は「長いようであっという間の1か月だった。必ず復旧復興させる」と語った。



