熊本地震1か月、地銀が被災事業者支援本格化 人材紹介や販路確保も
熊本地震1か月、地銀が被災事業者支援本格化 人材紹介や販路確保も

熊本地震から1か月が経過し、地元の地方銀行が被災事業者への支援を本格化している。融資の返済猶予や資金繰りの相談に加え、10年前の熊本地震の教訓を生かし、復旧・復興に必要な人材の紹介や販路確保といったサポートを充実させており、成果も出始めている。

「頻繁に訪ねて困りごと把握」

熊本県八代市を中心に介護施設を運営するシラサギグループの片山大嗣代表は26日、同市の施設を訪れた熊本銀行の行員と経営の現状を話し合った。「銀行の人脈のおかげで、この1か月をなんとか乗り切れた」と語る。

グループは県南部を中心に14拠点で施設を運営する。7月28日の地震では、震源に近い宇土市などで施設が損壊し、停電も発生。深夜に入居者約80人を別の施設に避難させた。スタッフも被災するなか、過去に熊本銀の紹介で知り合った同業者からボランティア派遣の申し出があり、その後の運営が継続できたという。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

現在は、売り上げの回復に先行して発生する復旧費用の資金繰りや、補助金の活用を銀行と相談している。熊本銀八代支店の増田亮一副支店長は「復旧の段階によって事業者の困りごとは変わる。頻繁に訪ねて状況を把握していきたい」と話す。

落果したナシ完売

熊本銀は今回の地震後、事業者のニーズを先回りで把握するため、同じふくおかフィナンシャルグループの福岡銀行の応援も受け、数十人態勢のチームを結成。被害が大きかった地域の全事業者を1か月かけて訪問した。資金繰り以外に井戸の修理業者探しで苦労しているケースが多かったことから、グループのネットワークを活用して支援する検討も始めたという。

肥後銀行も地震後、延べ800人態勢で県南部に行員を投入しており、すでに復旧資金として25億円の貸し出しを実行した。

非融資分野でも、2016年の熊本地震で販路を失う事業者が多かったことを踏まえ、グループで運営するクラウドファンディングを紹介し、全国から注文や支援金を受け付けている。さらに、商品の割引販売を仲介するグループのサービス「かせする」を通じ、地震によって収穫前に落果したナシを販売したところ、完売したという。

影響は幅広く長期化する懸念も

ただ、地域経済への影響は幅広く、長期化する懸念もある。肥後銀の取引先の被害額は26日時点で4205億円に上り、半分以上が生産停止や販売減による影響だった。復旧が遅れるほど営業被害の増大が予想される。帝国データバンク福岡支店によると、16年の前回地震を原因とした熊本県内の倒産は昨年7月までに69件あったが、地震発生から半年や1年以上が経過して事業を続けられなくなる例が目立ったという。

肥後銀の笠原慶久頭取は27日の記者会見で、「非金融も含めた多角的な支援が迅速にできている」とした上で、「復旧が長引けば影響も大きくなる。経営が継続できるよう、事業者に対してあらゆる支援をしていく」と述べた。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ