梅雨や台風の季節になると、屋根工事の点検商法による被害が急増します。点検商法とは、親切な工事業者を装って無料点検を持ちかけ、「屋根が飛んで通行人に当たるかもしれない」などと不安をあおり、その場で工事契約を結ばせる手口です。悪質な業者は、点検中にわざと屋根を壊したり、台風被害地域で不要なリフォームを迫るケースもあるため、注意が必要です。
相談件数は2.4倍に増加
国民生活センターや全国の消費生活センターに寄せられた相談件数は年々増加しています。2024年度の相談件数は1万9215件に上り、2022年度の約2.4倍となっています。この数字は、点検商法の手口がますます巧妙化していることを示しています。
悪徳業者が信用を勝ち取る手口
悪徳業者は、近所の工事現場を装い「お宅の屋根が壊れているのが見えた」と声をかけ、知り合いの業者を紹介するふりをして信用させます。屋根に上らせてしまうと、「ヒビがあったのでテープで補修した」などと言い、何かしてもらったら返さなければという心理を利用して高額契約へ誘導します。また、電話で予告してから訪問するパターンも増えており、一度話しているため警戒心が緩みやすくなっています。
屋根が壊れてもすぐに雨漏りしない理由
屋根リフォームの専門家である前川祐介氏(テイガク代表取締役社長)は、「屋根材の一部が欠損していても、ただちに雨漏りすることはない」と指摘します。屋根は複数の層で構成されており、一部の破損がすぐに漏水につながることは稀です。そのため、業者に「次の台風で雨漏りしますよ」と脅されても、慌てて契約する必要はありません。
悪徳業者を一発撃退するフレーズ
前川氏によると、最も効果的な撃退フレーズは「いま忙しいので、また後日連絡します」ではありません。この返答では業者が引き下がらず、再訪問や電話を繰り返す可能性があります。代わりに、以下のような明確な拒否の言葉が有効です。
- 「結構です。帰ってください。」 – はっきりと断ることで、業者のペースを崩せます。
- 「主人(家族)に相談してからでないと決められません。」 – その場での契約を避けるための定番フレーズです。
- 「警察を呼びますよ。」 – しつこい場合の最終手段として効果的です。
重要なのは、相手の話に乗らず、ドアを開けずに対応することです。無料点検と言われても、絶対に屋根に上らせてはいけません。
いま増加中の「高額契約を誘う手口」
最近では、訪問販売だけでなく、電話で「近所で工事をしているが、お宅の屋根が気になる」と連絡し、そのまま訪問するパターンが増えています。また、夜間や早朝に訪れる業者もおり、時間的なプレッシャーで冷静な判断を鈍らせる手口も横行しています。
「弱者」を狙う悪徳業者
悪徳業者は特に高齢者や単身世帯を狙います。国民生活センターのデータでも、70代以上の相談割合が高いことが報告されています。不安をあおられても、その場で契約する必要は絶対にありません。信頼できる地元の工務店や、複数の業者から見積もりを取ることが重要です。
まとめ:冷静な対応が被害を防ぐ
点検商法の被害に遭わないためには、突然の訪問や電話には一切応じないことが基本です。もし屋根の状態が気になる場合は、自分から信頼できる業者に連絡しましょう。前川氏は「点検商法の業者に不安をあおられても、その場で契約する必要は絶対にない」と強調しています。



