北海道大学は27日、会見を開き、アイヌ民族の遺骨研究について、「アイヌの人びとの尊厳を深く傷つけ、心からおわびを申し上げます」と宝金清博総長らが謝罪した。この問題で北大が謝罪するのは初めて。
同大医学部では1930年代から道内各地でアイヌ民族の墓を掘り出すなどして遺骨を収集・保管してきた。今回まとめた調査報告書によると、人類学的な研究目的としながら、その過程で「特定の民族を身体的・精神的に劣っていると決めつけようとする姿勢が存在していた」と指摘。その上で、「アイヌの人びとの尊厳に対する配慮が十分に払われないまま、調査や記述が行われていた」と認めた。
遺骨の収集についても、「故人を敬い、弔うという人としての尊厳に対する配慮に欠けていた」とした。今後は、アイヌ民族の尊厳を傷つける研究が行われてきた事実を学生や教職員に伝えるとともに、特に医学部における研究者、学生に向けた倫理教育を徹底するとした。
遺骨問題の経緯
アイヌ民族の遺骨を巡っては、国内の12大学が収集し、北大は一時期の保管数が1千体を超え、突出して多かった。2019年、札幌医科大学が謝罪し、25年10月には東京大もホームページ上で先住民族の尊厳を傷つけたとして謝罪した。
長く遺骨問題を追及してきたアイヌ民族の木村二三夫さん(77)は「学生に正義を教える場なのに、あまりにも遅すぎた」と指摘。「謝罪はスタートライン」とし、「これから返還に向けてどうアイヌと対話していくか、考えてほしい」と話した。



