常陸大宮市、核ごみ文献調査の申し入れ受け入れ前向き 鈴木市長が表明
常陸大宮市、核ごみ文献調査の申し入れ受け入れ前向き

常陸大宮市は31日、核のごみの最終処分地選定を巡る文献調査の申し入れを経済産業省から受けた。鈴木定幸市長と、経済産業省資源エネルギー庁の久米孝次長が市役所で報道陣の質問に応じた。

市長、調査受け入れに前向き

鈴木市長は「最終処分に直結するわけではないので、とりあえず調査を受け入れることには前向きだ」と述べた。その上で「市は、東日本大震災を経験したが、比較的強固な岩盤の土地が広範囲にある。国策に貢献できるなら、手を挙げる価値がある」と語った。さらに「安価なエネルギーを享受する一方で、副産物を知らんぷりするのは日本人としていかがなものかと思う」と持論を展開した。

今後の合意形成プロセス

合意形成の方法について、市長は「議会の同意を得られて、文献調査を受け入れるとなったら、市民への説明をしていく」と説明。9月から定例会が始まることから、「原子力発電環境整備機構(NUMO)に知見や知識を説明してもらった上で、議会の意見を聞きたい。ずるずる延ばす気はなく、早ければ9月定例会中には意見を聞きたい」と述べた。また「文献調査をやったからといって、概要調査に進まないといけないわけではない。文献調査での期間中に市民と対話をしていきたい」と強調した。

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選定理由と周辺自治体の反応

常陸大宮市に申し入れた理由について、久米次長は「市は、経産省の科学的特性マップで、地層処分に好ましい特性が確認できる可能性が相対的に高く、未利用地も存在している。地域の方々、市長の考えも聞き、総合的に判断した」と説明した。

文献調査申し入れの一報について、隣接4市町からは、国や常陸大宮市からの情報提供を求める声があがった。大子町の高梨哲彦町長は「町民の安全や農林業、観光などへの影響に関心を持っている。情報を収集し、影響を十分に確認して慎重に対応する」とする。また東海第二原子力発電所(運転停止中)が立地する東海村の山田修村長は「茨城には発電施設がある。全国民が電気を日々消費する中、最終処分地まで、県内に造るのはどうなのかと思う部分もある」との心境を明かした。

県民の受け止め

県民の受け止めも様々だ。今回、原子力発電環境整備機構(NUMO)に文献調査を要望した常陸大宮市の60歳代男性は「国が動いてくれた。人口減少などの地域課題と、核のごみ処理問題を考えるきっかけにしたい」と語った。2人の子どもを育てる同市の30歳代会社員男性は「市にお金が入るのは喜ばしい。子育て支援に使ってくれたらうれしい」と話した。

一方、同市の70歳代パート女性は「安全はお金で買えない。想定外の危険がないと言い切れるのだろうか」と不安がった。水戸市の10歳代無職男性は「水戸市に影響がないか心配。常陸大宮は県内農業を支えていると思うので、風評被害が心配だ」と話した。県商工会連合会の小川一成会長は「国と市には、地元住民の声をしっかり聞いて判断してほしい」と述べた。

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