再審無罪の松橋事件、高裁が検察の証拠隠しを批判 賠償命令
再審無罪の松橋事件、高裁が検察の証拠隠しを批判

福岡高裁は27日、1985年に熊本県内で男性が刺殺された「松橋事件」をめぐり、再審無罪が確定した故・宮田浩喜さんの遺族が国と県に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、一審・熊本地裁判決を一部取り消し、県警の捜査と検察の公判対応の双方を「違法」と判断した。国と県に対し、約2380万円の支払いを命じた。

岡田健裁判長は判決で、被告が有罪であることに疑いを生じさせる証拠があったのに、その存在を明らかにしなかった検察官に対し「失望を禁じ得ない」と厳しく批判。検察が証拠を「握りつぶした」と指摘した。

事件の経緯と隠された証拠

事件は1985年1月、熊本県松橋町(現・宇城市)で発生。死亡した男性の知人だった宮田さんは、逮捕前の取り調べで刺したと「自白」し、逮捕後には「シャツの布を凶器の小刀に巻き付け、犯行後に燃やした」と供述した。

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しかし、供述通りに焼却されたはずのシャツ片が、熊本地検に保存されていたことが再審請求の新証拠となった。弁護団が提供したシャツの画像では、宮田さんが「燃やした」と供述した左袖部分が保存されていた。

判決は、検察がこの証拠の存在を明らかにしなかったことが違法だと判断。一審では県警の捜査の違法性は認められなかったが、二審では捜査段階の違法性も認められ、原告側の全面勝訴となった。

裁判の意義と今後の影響

本判決は、検察の証拠隠しに対する司法の厳しい姿勢を示すものとなった。宮田さんは2019年に再審無罪が確定していたが、生前の訴えが認められる形となった。

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