福岡県警少年課は、夏休み期間中にアルバイトを探す学生が増えることを踏まえ、若者が「闇バイト」に応募して特殊詐欺などの犯罪に巻き込まれないよう、4コマ漫画風の啓発動画を制作した。この動画は、SNSでメンバーを集めて事件を繰り返す「匿名・流動型犯罪グループ(匿流)」への若者の関与を防ぐ狙いがある。
動画の内容と配信方法
動画では、闇バイトと知らずに応募した若い男性が、SNS上の指示役に身分証を送信した後、脅されて犯罪に加担し、最終的に逮捕されるまでの過程が描かれている。この動画は、X(旧ツイッター)で「高収入」や「ホワイト案件」など闇バイトに関連する約50種のキーワードを検索した履歴のある人に絞って表示される。また、福岡空港と西唐津間を走る新型車両数台でも、8月31日まで動画が配信される。
県内の少年による特殊詐欺の急増
福岡県内では、特殊詐欺に加担する少年が急増している。特殊詐欺に関する20歳未満の摘発件数は、2024年までの過去5年間は年7~13人と10人前後で推移していたが、昨年は49人(前年比38人増)に急増した。昨年8月には、SNSでアルバイトに応募した筑後市の少年(当時17歳)が詐欺グループの受け子や出し子として犯罪に加担し、高齢女性から90万円をだまし取った詐欺容疑で逮捕された。
自身が闇バイトに応募する以外にも、先輩や友人から誘われて犯罪に加担するケースも目立つ。県警が麻薬取締法違反などの疑いで密売グループの男ら5人(当時18~22歳)を逮捕し、7月に発表した事件では、当時19歳だった男が同級生の男から誘いを受けて密売を始め、仲良くなった客の男をさらに密売に誘っていたという。
啓発活動の強化と呼びかけ
県警は福岡市地下鉄天神駅で「闇バイトは犯罪」と書かれたうちわを配るなどして啓発活動を強化している。少年課の島崎浩一次席は「犯行グループは誰でもいいから身代わりとなる『都合の良い使い捨て』を求めている。友人からの誘いであっても応じず、闇バイトに応募してしまったら勇気を持って警察に相談してほしい」と話している。



