福岡県議会の正副議長ポストを巡る現金授受疑惑で、渦中の蔵内勇夫議長が25日、議員辞職した。板橋聡副議長は、蔵内氏が出した議員辞職願を許可したと明らかにした。
蔵内氏は同日「県議会の混乱が続くことは私の本意ではない。議長職だけでなく、議員としても身を引くことが、私にできる責任の取り方だとの結論に至った」とのコメントを出した。
疑惑の内容と食い違う言い分
福岡県議会を巡る疑惑は、地方自治への信頼を揺るがす深刻な事態だ。正副議長選びに金銭が介在したとすれば許されない。県議会は第三者委員会による調査を早急に始め、徹底的に真相を究明すべきだ。蔵内氏が調査に進んで協力すべきは当然である。今回の辞職で疑惑への関与や全容解明をうやむやにしてはならない。
自民党を離党した吉松源昭県議が、令和2年6月の議長就任に際し自民県議団の複数の幹部に約2千万円を渡したと証言したのは今年7月7日だ。その後、自民の江藤秀之県議も副議長就任時に約800万円を渡したことを明かしたが、真相解明の取り組みは進んでいない。支払先として名指しされた中尾正幸前副議長は議員辞職したが受け取っていないとした。自民以外の会派の元副議長は、就任前に蔵内氏に500万円を渡したと匿名で証言したが、蔵内氏も受領を否定している。言い分は食い違ったままである。
真相解明への姿勢に疑問
蔵内氏は当初、第三者委でなく、議会側が人選した外部有識者による聞き取り調査で対応する考えを示していた。今月17日には、吉松氏が県議会に提出した議長職の辞職勧告決議案の採決直前で、蔵内氏の元秘書の自民県議が採決中止の動議を出し可決されたため、決議案の採決は見送られた。積極的に真相を解明しようとする姿勢が見えないのは残念だ。これでは時間稼ぎと受け取られても仕方あるまい。
福岡県政に関しては、県幹部の親睦団体「部課長会」が会費を県議会議長らのパーティー券購入に充てていたことや、知事や県議の多額の税金を使った海外視察なども問題視されている。県も第三者委で検証する方針だ。県と県議会は自浄能力を発揮し、県民の信頼回復に努めなければならない。



