金銭授受疑惑などに揺れる福岡県議会の蔵内勇夫議長(72)が24日、25日の全国都道府県議会議長会会長としての職務を終えた後、議員辞職する意向を明らかにした。蔵内氏は19日に「県政に混乱をきたした」として議長を辞任する意向を示していたが、議員辞職は否定しており、急転直下の表明となった。
コメントで辞職の意向表明
蔵内氏は24日、「(25日に東京で開催される行事で)全国都道府県議会議長会会長としての職責を全うしたうえで、福岡県議会議員の職を辞することとしました」とのコメントを発表した。
疑惑を巡っては、吉松源昭(もとあき)議員が7月7日、2020年6月の議長就任前に、当時所属していた自民党県議団の幹部に約2000万円の現金を支払ったと証言。元副議長の江藤秀之議員も約800万円を渡したとし、読売新聞の取材では他にも2人が金銭授受を明らかにした。
第三者委員会設置へ
蔵内氏や他の幹部は現金受け取りを否定。蔵内氏は弁護士らによる全議員対象の聞き取り調査を行うとしていたが、日本弁護士連合会の指針に基づく第三者委員会の設置を求める声が議会内外で高まり、8月5日に第三者委設置を決めた。
17日の臨時会では、吉松氏が蔵内氏の議長職辞職勧告決議案を提出したが、自民議員の緊急動議で採決が見送りとなった。一方、蔵内氏は同日の自民県議団の会派総会で、一連の問題を受けて各会派が求めている政治倫理条例の制定にめどがつけば、議長を辞職する考えを示していた。
知事「幕引きではない」
県議会を巡っては、高額な海外視察のほか、蔵内氏が県とともに推進する「ワンヘルス」施策についても、予算の妥当性を問う声が上がっている。服部誠太郎知事は24日、報道陣の取材に「重く、大きな決断をされたと思うと同時に、これで幕引きではないとも感じた」と話した。
蔵内氏は当選10回。01年に議長、03年に自民県議団会長に就任。15年からは自民福岡県連の会長も務めた。県政界に大きな影響力があり、「県議会のドン」と呼ばれている。



