高校デモ激化は「無責任」、仏首相が警告 全国に拡大
高校デモ激化は「無責任」 仏首相が警告 全国に拡大

フランスのセバスチャン・ルコルニュ首相は28日、高校での抗議デモがさらに激化すれば「無責任」だと述べた。公務員による全国ストライキを翌日に控える中、生徒らの抗議運動はパリ首都圏以外の都市にも広がっている。

抗議運動の拡大と被害

高校生らは先週から、過密なクラスや過重な学習負担、教員不足などさまざまな問題に抗議し、学校の封鎖やデモを行っている。抗議運動はパリを中心とするイルドフランス地域圏で始まり、器物損壊や警察に向けた花火の発射などが報告されていた。

28日には他の地域にも広がり、南部アルプマリティム、バール両県では高校4校が封鎖されたほか、マルセイユ、北部リール周辺、北東部アルデンヌ県スダンでも抗議活動が報告された。

政府高官の非難と対応

ルコルニュ氏はX(旧ツイッター)に「高校周辺での花火、放火、暴力について、生徒や教職員、警察官を危険にさらすことは何一つ正当化できない」と投稿した。また、急進左派政党「不屈のフランス(LFI)」が運動の拡大を呼び掛けていることを強く非難した。

ルコルニュ氏は「このような激化は無責任だ」とする一方、「高校が抱える問題には耳を傾け、対処しなければならない」と述べた。

ロラン・ヌニェス内相は、デモや学校封鎖について「通常の抗議運動とはかなり異なる」と指摘し、「むしろ都市暴力に近い。覆面をし、花火や投てき物を持った者が多数おり、明らかに治安部隊との衝突を望んでいた」と非難した。ヌニェス氏は、28日には164人が拘束され、180校が影響を受けたと述べ、「行き過ぎた行為を容認することはできない」と強調。また同日、治安部隊12人、高校生12人、学校職員3人が負傷したとしている。

政治問題化と今後の見通し

エドゥアール・ジェフレ国民教育相は28日夜、「当初は一般的な高校生の運動だったものを乗っ取り、学校における民主的な活動を暴力によって妨げようとする『都市暴力』に直面しているのは明らかだ」と述べた。

高校生の権利擁護団体「高校生全国組合(USL)」は、公務員組合がストライキを呼び掛けている29日、全国の高校を封鎖するよう呼び掛ける方針を示した。フランスの小学校教員の主要労組は、29日には教員の約40%がストライキに参加すると予想している。

高校生の抗議運動は、大統領選を7か月後に控え、政府とLFIが対立する中、政治問題にも発展している。ジェフレ氏は「LFIの議員らによる学校封鎖の政治的な利用が行われている」と主張した。

これに対し、LFIが市政を担うパリ郊外サンドニ市は声明で、生徒らの要求は「正当」だとした上で、「(当局は)高校生のところへ行って話をし、この若者たちが政治的に利用されているのか、それとも自ら考え、組織し、自分たちの学習環境と将来を守ることができるのか、自分たちの目で確かめればよい」と反論した。