自転車部顧問の「逆恨み」パワハラで元部員が提訴、香川県立高
自転車部顧問の逆恨みパワハラで元部員が提訴

香川県立石田高校(さぬき市)の自転車競技部で、部活動中に顧問の60代男性教諭からパワハラを受け、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を発症して転校を余儀なくされたとして、元部員の男子生徒が県に慰謝料など計約1158万円の賠償を求め、5月に高松地裁に提訴したことが明らかになった。部活中の事故を警察に届け出たことをきっかけに、顧問から暴言を浴びせられたという。

事故届け出が発端、顧問が逆恨み

訴状によると、2025年7月、公道での練習中に転倒事故が発生。当時2年生だった元部員らが負傷したが、顧問は警察に連絡せず、その後元部員が県警に事故を届け出た。顧問は同月末に鳥取県で行われた全国高校総体の会場で、元部員に対し「いい度胸してんな」「チクってんのか?」「うちの部員に近づくな」などと逆恨みするような発言をした。原告側は、顧問が元部員の家庭環境をおとしめる虚偽の発言も繰り返したと主張している。

PTSD発症、転校を余儀なく

元部員はその後心身に不調をきたし、同年9月にPTSDと診断された。登校が難しくなり、私立の通信制高校に転校した。元部員への取材などによると、発端となった事故では元部員ら3人が落車して頭などを強打。出血している部員もいたが、車で追走していた顧問は119番や110番通報をせず、救護もしなかったという。元部員は帰宅時に吐き気を訴えて搬送され、全身打撲で1カ月半の治療を受けた。

Pickt横長バナー — Telegram用の共同買い物リストアプリ

人権侵犯も認定、県教委は軽い処分

高校総体での顧問の発言を巡り、元部員側が高松法務局に人権救済を申し立て、今年2月に「人権侵犯の事実があった」と認定された。県教育委員会によると、県教委は顧問の発言の一部が不適切だったとして、2025年12月15日付で顧問を懲戒処分より軽い「矯正措置」とした。認定した内容は明らかにしていない。一方、事故対応については事実関係を認めた上で「不適切な対応にはあたらない」と説明。原告側の主張に対しては「協議の上、対応を慎重に検討する」とした。

元部員「学校生活、将来の夢、全部終わった」

原告の元部員は朝日新聞の取材に沈痛な面持ちで心境を語った。「学校生活、将来の夢、全部終わった」と述べ、転校を余儀なくされた無念さをにじませた。石田高の自転車競技部は競技に力を入れており、元部員は将来を嘱望されていたが、今回のパワハラでその道を断たれた。両親も「子供の将来を奪われた」と訴えている。

Pickt記事後バナー — 家族イラスト付きの共同買い物リストアプリ