真鍋元知事が語る知事選の意義「不利益の分配」と県政の責任
真鍋元知事が語る知事選の意義「不利益の分配」と県政の責任

任期満了に伴う香川県知事選(30日投開票)は13日、告示される。1998~2010年に知事を務めた真鍋武紀さん(86)に、求められる素質や選挙の意義を尋ねた。

「大局先見」で県政に責任

真鍋元知事は、知事に必要な素質として「大局先見」を挙げる。4年の任期だけでなく、その後の10年、30年後の県政にも責任を持つことだとし、利益分配ではなく「不利益」の分配は一筋縄ではいかないと述べた。公共施設の閉鎖や県職員削減などの行財政改革は憎まれることが多かったが、苦労があったからこそ、財政健全化に道筋をつけられたと振り返る。

一方で、文化や芸術、スポーツは長い年月をかけて根付かせる必要があると考えた。2010年に始まった瀬戸内国際芸術祭は回を重ねるごとに来場者数と規模が拡大し、2005年に開幕した野球の独立リーグ「四国アイランドリーグ」(現・四国アイランドリーグplus)もすっかり地域に溶け込んでいると語る。

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「オール県庁」と職員との協力

職員との向き合い方について、真鍋元知事は「知事といえども、できることや能力は限られている。職員と協力して『オール県庁』で取り組まねばならない」と述べた。職員にアイデアを自由に出してもらい、最後は知事が責任を持って決断するという。うどん用県産小麦「さぬきの夢」の開発や海砂利採取の規制など、職員はよくやってくれたと評価する。

ただ、知事は人事権を握るため、3期も務めると「イエスマン」が多くなり、新しい発想が減るという。公職は私物化すべきではないと考え、70歳で退任を決めたと説明した。

選挙の意義と有権者へのメッセージ

選挙の意義について、真鍋元知事は「当落の結果も大事だが、候補者が有権者と誠実に向き合うことが本質だと思う」と語る。選挙は候補者が直接、県民の声を聞き、実績や思いを伝えられる機会であり、各地で本音を聞けたことが2期目、3期目の課題意識、励みにつながったという。船で離島を巡る中、家の窓から温かく手を振り返してくれた島民の顔は忘れられないと述べた。

選挙期間中は、県民も候補者の主張に耳を傾け、望むことを積極的に伝えてほしいと訴える。

真鍋武紀氏は三木町出身。東大法学部を卒業後、農林省(現・農林水産省)に入省。農林水産審議官、国際協力事業団副総裁などを経て、1998年の知事選で初当選した。就任後の2000年、豊島(土庄町)に不法投棄された産業廃棄物の撤去を巡る公害調停を成立させ、住民らに直接謝罪した。

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