ボット転売対策に企業が悲鳴、羽田空港駐車場も標的に
ボット転売対策に企業悲鳴、羽田空港駐車場も標的に

ボットによる転売目的の買い占めに対し、ECサイトの運営企業は対策に頭を悩ませている。

「本来は必要のない対策に時間や費用を割かねばならず、非常に腹立たしい」。各種チケットの販売サイト「TIGET(チゲット)」を運営するIT企業「grabs(グラブス)」(東京)の前田裕司取締役は憤る。

同社は、チケット発売時に押し寄せる数千ものボットを遮断するシステムを導入し、ここ1年でボットと判断したアカウント約600件を退会処分としてきた。だが、システムを突破してくるボットは次々に現れ、チケットを買えない利用者の不満の声にも苦慮している。

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法規制の必要性を訴える

前田さんは「対策費が膨らめば、手数料の値上げにもつながりかねない。『自分さえ良ければいい』という、ボット利用が引き起こす社会的コストはあまりに大きく、法規制の必要性を感じる」と訴える。

日本一の旅客数を誇る羽田空港(東京都大田区)の駐車場も標的となった。

羽田空港駐車場で大量アクセス

空港ビルに直結する五つの駐車場の収容台数は計約1万3000台で、そのうち4駐車場の約800台分が、利用希望日の1か月前から先着でインターネット予約できる。

運営を担う空港振興・環境整備支援機構などによると、2024年5月以降、利用者から「予約開始直後に枠がなくなり、予約が取れない」との苦情が殺到。同機構が同月の予約システムの稼働状況を調べたところ、予約開始と同時に約30件の端末から1日平均で約6万件もの大量アクセスが確認された。

同機構の担当者は「一つの端末が1日平均2000件もの予約を試みていた。人間による操作とは考えられず、ボットによるものとみられる」と話す。

対策でアクセス97%減

ボットを動かしていたとみられるのが、インターネット上で宣伝されていた「プログラムを使った予約代行サービス」だ。同機構によると、予約の大半は、予約後に利用車のナンバーが変更されていた。

同機構は昨年6月、利用規約に予約枠の転売とボット利用の禁止を明記すると共に、予約後に車両を変更できないようシステムを変更した。その結果、同月のアクセス数は前年同月比で97%減となった。

今年6月には、予約時に必要なクレジットカード決済の際に、スマホに送られるワンタイムパスワードの入力などが必要になる本人認証システム「3Dセキュア」を導入。ボットによる予約は実質不可能となり、一部の予約代行サービスは終了した。

同機構は「空港の駐車場は公共性が高く、公正なルールで安心して使ってもらえるよう今後も対策講じていく」としている。

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