滋賀県の長浜、彦根、高島の3市で同時に計1万発以上の花火を打ち上げるとして、観覧チケットをインターネットで販売していた「琵琶湖三市同時花火大会」が、8月9日に突然中止を発表した。チケット購入者や出店業者からは不満の声が上がっている。
チケット購入者から返金求める声
主催者のSNSによると、観覧チケットは7千~1万9千円で販売され、開催予定日は8月22日だった。滋賀県内の20代女性は6月ごろ、カップル席券を購入。駐車場代と合わせて2万円余りを支払った。「本当に準備が間に合わずに開催できなかったのなら、しっかり返金してほしい」と話す。
県内の40代女性はインスタグラムで大会を知り、4月にチケット3枚と駐車場代で計2万円余りを支払った。「出店予定の店も知っていたし、インフルエンサーが大会を紹介していた。開催へ動いているように見えたのに、実際には何もしていなかったようでショックです」と語る。
出店業者も困惑
主催者は出店料5万円で出店業者も募集していた。京都市内の業者の男性(52)は1~2月、出店料として2カ所分、計10万円を主催者側に振り込んだ。男性は各地の祭りなどで、いちごあめの店を展開している。
男性によると、ほかのイベントでは、屋台の種類が重複しすぎないよう事前調整されるのが一般的だが、今回はお金を振り込んだ段階で出店が確定。「何かずさんだな」と思ったという。
主催者側に説明を求めるメールを送り、今年3月と4月に滋賀県近江八幡市や京都市の喫茶店などで面会した。相手は大会の「実行委員会代表」を名乗る人物で、「手元資金が6億円ある」「大手旅行会社にチケットが売れている」などと話した。男性は「花火大会への熱意を感じた」と振り返る。
中止発表後も返金の見通し立たず
開催が目前に迫っても詳細な説明はなく、8月4日にオンライン説明会が開かれ出店場所などが紹介されたが、その5日後、主催者は「必要な準備・運営体制を整えることが困難」として中止を発表した。
男性は「誠意があるなら返金を」と憤り、仲間とSNSで発信し、他の出店業者やチケット購入者らからの情報を求めている。警察にも複数回、相談しているという。
朝日新聞が「実行委員会代表」を名乗る人物にメールで取材を申し込んだところ、会場や駐車場の確保、花火業者への発注など、開催に必要な手続きは完了していなかったという回答があった。また、滋賀県議に「地域を楽しく元気づける大会にしたい」と企画を持ちかけていたことも分かった。



