保険代理店アドバンスクリエイト不正会計、金融庁が保険会社に聞き取り調査
保険代理店アドバンスクリエイト不正会計、金融庁が保険会社に聞き取り調査

東証プライム市場に上場する保険代理店アドバンスクリエイト(アドクリ)の不正会計をめぐり、金融庁が取引のある保険会社に対して聞き取り調査に乗り出していることがわかった。

不正会計の経緯と第三者委の報告

アドクリは5月、保険商品の情報サイト「保険市場」に掲載する広告の取引で、不正な会計処理の疑義が生じたことから、調査のために第三者委員会を設置すると発表。その後、8月4日に公表した第三者委による調査報告書では、広告代金の不正計上をめぐって、保険会社がアドクリ側と口裏を合わせて、隠蔽の手助けをしていたことが疑われるという実態が詳細に綴られている。

第三者委によると、アドクリと保険市場を運営する子会社の役員らは業績目標達成のために、保険会社が支払った広告代金を広告掲載前に前倒しで一括計上するという不正な会計処理を、おそくとも2018年12月から行っていた。20年には、当時アドクリの監査を担当していた桜橋監査法人が、広告代金の売り上げ計上の時期と実際の掲載期間との関係が不明瞭だと指摘しており、疑念を強めていた桜橋監査法人はその後に保険会社に対して反面調査に乗り出している。

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口裏合わせの実態と金融庁の対応

問題はここからだ。監査法人の調査によって不正会計が露見するのを回避するため、アドクリの役員らは広告取引のある保険会社との口裏合わせを画策。監査法人から質問が来たときは、「ご認識の通りです」や「差異なし」などと回答するよう保険会社に要求し、一部の保険会社には回答の文案をメールで送付していた。

第三者委の調査では、アドクリ側が各保険会社とどのように回答内容を調整し、結果として監査法人にどう回答したのか、取りまとめて一覧表にしたエクセルファイルも見つかったという。このことから、回答文案を受け取った保険会社は、それにほぼ沿うような内容で監査法人に回答したことがうかがえる。

一見すると、保険会社がアドクリ側の誘導に乗っかり、騙されてしまっただけのようにも映るが、決してそうではない。広告掲載前の段階でありながら、不正に代金を前倒しで一括計上することで業績を良くみせたいという「アドクリ側の意図は、以前から重々認識していた」(中堅生保役員)からだ。

報告書を踏まえて、金融庁は一部の保険会社に対して、①アドクリの会計処理に関連した依頼の有無とその内容、②依頼に対してどのような対応をしたか、③依頼に対してどの役職者が関与し、どのような意思決定プロセスを経て対応したか、④法令や内規、業界ガイドラインに照らしてどのような課題認識を持っているか、について照会をかけている。隠蔽に加担した疑義が強い保険会社に対しては、金融庁が保険業法に基づく報告徴求命令を出す可能性がある。

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