ブラジル・リオデジャネイロの丘に位置するファベーラ(貧民街)で、警察と麻薬密売組織「コマンド・ベルメーリョ(CV)」の間で激しい銃撃戦が発生し、人気の日の出スポットで観光客数十人が孤立する事態となった。ブラジルで警察と麻薬組織の衝突に観光客が巻き込まれるのは、今年に入って2度目となる。
夜明け前の掃討作戦が銃撃戦に発展
警察は、リオデジャネイロの多くの貧困コミュニティーを支配する強力な麻薬密売組織「コマンド・ベルメーリョ(CV)」の掃討作戦を開始。夜明け前にモロ・ドナ・マルタのファベーラで銃撃戦が勃発した。作戦は未明から始まり、住民や観光客を恐怖に陥れた。
展望台で日の出を待つ観光客、突然の銃撃にパニック
ファベーラの上方に位置し、リオデジャネイロ市街を一望できる「ドナ・マルタ展望台」では、夜明け前に日の出を見ようと訪れていた観光客約60人が突然の銃撃戦に遭遇。絶え間ない銃声の中、観光客たちは身を低くして避難し、約20分間にわたって身動きが取れなくなった。
リオデジャネイロを拠点に活動する写真家のアリ・カイエ氏(43)は、その場に居合わせ、動画を撮影してSNSに投稿。拡散された映像には、銃声が響き渡る中、観光客のグループが地面に伏せて避難する様子が捉えられている。カイエ氏はAFPに対し、「まるで戦争のような状況だった。激しい銃撃があり、大パニックが起きた。約60人がおり、銃撃戦は約20分間続いた」と語った。
今年2度目の観光客巻き込まれ事件
リオデジャネイロで観光客が麻薬密売組織の掃討作戦に巻き込まれ孤立したのは、今年2度目。今年4月には、市内のもう一つの象徴的な展望スポット「モロ・ドイス・イルマオス」で、200人以上の観光客が2時間にわたって足止めされる事件が発生していた。今回の事件は、リオの治安問題と観光安全の脆弱性を改めて浮き彫りにしている。



