共産党の小池晃書記局長は17日の記者会見で、高市早苗首相が15日の全国戦没者追悼式の式辞で訴えた「戦争の惨禍を二度と繰り返させない」との表現を批判した。歴代首相は戦争の惨禍を「繰り返さない」と表現しており、小池氏は「『せ』一文字で意味が全く違う。二度と侵略戦争を行わないという主体的な決意表明だったが、外部に戦争を強いられたかのような言い方になっている」と主張した。
「反省の言葉がない」と首相の歴史認識を問題視
高市首相の式辞を巡っては戦後、日本が平和国家として歩んできた中、他国から戦争を仕掛けられる事態を抑止するとの視点もあり得るが、この点には言及せず、首相の歴史認識を問題視した。
首相は今回、戦後の日本が世界平和に貢献するため力を尽くしてきたとした上で、「戦争の惨禍を二度と繰り返させない」と表現を改めた。昨年、石破茂前首相が13年ぶりに復活させた「反省」には言及せず、それ以前の式辞の形に戻した。
小池氏は会見で「『反省』という言葉がなかった。侵略戦争に対する反省のかけらもないことが示された」と強調。首相に対しては、「日本が過去の戦争を主体的に行ったという歴史認識を持っていないのではないか。『自存自衛の戦争』だというようなことをかつて言ったこともあるかと思うが、非常に歪んだ歴史観をお持ちなのではないか」との見方を示した。
靖国参拝は「侵略戦争肯定の意思表示」
その上で、「侵略戦争はまぎれもない歴史的事実だ。その歴史認識がない人に国のかじ取りを任せるわけにはいかない」と述べ、首相退陣を働きかける考えを示した。
自民党の鈴木俊一幹事長ら党幹部が、先の大戦の戦没者が祭られている靖国神社(東京・九段北)を慰霊のため参拝したことについては、「靖国は侵略戦争に国民を動員する精神的支柱とされ、自存自衛の戦争だと主張している特別な組織だ。自民党が侵略戦争を肯定する意思表示になる」と語った。
先の大戦で日本が開戦に至った要因は複合的で、「何を重視するか、時間軸をどうとるかで答えは異なる」(8月15日付、日経新聞社説)との指摘もある。戦後80年以上にわたり平和国家として歩んできた現在の日本が他国への侵略戦争を企図する状況にはなく、周辺の安全保障環境を踏まえれば、外部から戦争を仕掛けられる事態を抑止する視点も欠かせない。
一方、小池氏は「(侵略)戦争をやってはいけないことは自明だから、こう言ったというのではなく、(首相は)日本が主体的に戦争を行ったという歴史認識を持っていない。あるいは、それを表明したくないから、あの発言になったのではないかと思わざるを得ない」と述べ、「特殊な歴史観をお持ちなのではないか」と重ねて批判した。



