東武日光線新鹿沼駅(栃木県鹿沼市)の線路内で除草作業中の4人が特急列車にはねられて死亡した事故で、亡くなった渡辺利彦さん(当時65)の兄・保彦さん(74)が取材に応じ、突然弟を奪われた悲しみと事故への憤りを語った。
事故の概要と3人の暮らし
事故は8月20日に発生。駅の旧上りホームの線路内で除草剤を散布していた7人のうち4人が、進入してきた特急「スペーシアX」にはねられた。
保彦さんは、弟の利彦さんと、同じ事故で亡くなった石川一芳さん(67)の3人で、宇都宮市の築40年近いマンションのワンルームに暮らしていた。ちゃぶ台代わりの衣装ケースと小さな冷蔵庫があり、きれいに片付いた流し台のわきには、利彦さんと石川さんの茶碗があの日のまま残されている。
兄弟の日常と勤務先
兄弟は一つのベッドで、石川さんは床にふとんを敷いて寝ていた。3人は東武建設の孫請け会社に所属し、さまざまな現場に働きに出ていたという。
兄弟は栃木県今市市(現日光市)の出身で、ずっと助け合って生きてきたという。保彦さんは、突然弟を奪われた悲しみと、事故への憤りを「命を軽く見てる」という言葉で表現した。