アジア太平洋の詐欺被害18.5兆円、23年比3倍に急増 国連報告
アジア太平洋の詐欺被害18.5兆円、23年比3倍に

国連(UN)は21日、東アジア、東南アジア、オーストラリア、ニュージーランドにおける2025年のオンライン詐欺被害額が最大で1140億1000万ドル(約18.5兆円)に達したとする報告書を発表した。これは2023年の推定額(180億~370億ドル)から約3倍の増加となる。

投資詐欺が被害の大半を占める

国連薬物犯罪事務所(UNODC)の報告書によると、被害の多くは投資詐欺によるもので、特に暗号資産投資詐欺が急増している。UNODCは「この犯罪経済の極めて急激な拡大」を示していると指摘する。

近年、東南アジア、特にカンボジアやミャンマーは、ロマンス詐欺や暗号資産投資詐欺を運営する犯罪組織の拠点として浮上している。これらの組織は、自ら加担する者に加え、人身売買で強要された実行役を要塞化された施設に監禁し、世界中のインターネットユーザーを騙している。

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被害の地理的分布と取り締まりの動き

過去2年間で、中国、韓国、台湾がこの地域で最も多額の詐欺被害を報告しており、それぞれ数十億ドル規模の被害が出ている。現地当局は、米国、英国、中国など複数の国からの圧力を受け、違法産業の取り締まりを強化していると主張している。

UNODCによると、東南アジアのサイバー詐欺産業は近年急拡大しており、組織犯罪グループは当初、主に中国語話者をターゲットにしていたが、その後対象を広げ、世界中の被害者を標的にするようになった。

犯罪エコシステムの変容と脅威

UNODCは、違法薬物取引、オンライン詐欺、人身売買、違法な銀行取引、不動産投資などを含む東南アジアのより広大な犯罪エコシステムも、過去10年間で変容を遂げていると指摘。組織犯罪者は「地元に根ざした個別の犯罪組織という断片的なシステムから離れ、統合化が進み、国境を越え、技術的に高度化した犯罪経済へと移行しつつある」と述べた。

この変化は従来の法執行機関にとって試練となっており、地域のガバナンス、経済的・社会的安定を脅かしているとUNODCは付け加えた。

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