警視庁は、匿名・流動型犯罪グループ(匿流)による闇バイト強盗事件で、標的となる家の資産額や住所などの情報を犯罪集団に流したとして、強盗未遂などの疑いで元不動産業の石原忍容疑者を逮捕した。匿流の「情報元」の摘発は初めてとなる。
不動産相談を悪用し顧客情報を流出
事件は3月、東京都江東区の住宅兼建築会社事務所に男らが侵入し、住人から金品を奪おうとした強盗未遂。石原容疑者は以前、不動産関係の仕事で被害者から取引相談を受けた際、家族構成や資産額、現金保管場所などを知り、事件を計画する「案件屋」に「金庫に5千万円ぐらいある」などと伝えていたという。
警視庁はこれまで実行役や案件屋ら7人を逮捕し、突き上げ捜査を継続。膨大なスマートフォンのデジタルフォレンジック(電子鑑識)や取り調べから、情報元の存在を割り出した。
情報元は諸悪の根源、業界のモラル確立を
匿流の闇バイト強盗では、情報元がなければ効率的な犯行は不可能で、諸悪の根源といえる。不動産相談を悪用し、顧客から得た重大な個人情報が犯罪集団に横流しされていた実態が判明したことは、対策のヒントになる。
不動産や金融など、顧客宅に入り資産情報に接する業種は、極めて厳しいモラルを業界として確立する必要がある。
スマホ遠隔解析の法改正を早期に
今回は粘り強い捜査が情報元を炙り出したが、スピード感には問題がある。やりとりの復元が間に合わないことも多い。警察庁検討会は被害防止と検挙の効率化へ、匿流上層部のスマホをハッキングし、遠隔解析する手法の解禁を求めた。警察庁は実現に向け、法改正に臨む。国民を泣かす匿流を丸裸にできる法改正であり、一刻も早く実現すべきだ。