「世界最北の村」と言われるグリーンランド北西のシオラパルクで半世紀余り、犬ぞり猟師として暮らしていた大島育雄さんが8日、がんで亡くなった。79歳だった。
日本人初の北極点到達
東京都東久留米市に生まれ、日本大学では山岳部で登山経験を積んだ。山岳部OBとして1972年、北極点遠征の準備で村に入り、冒険家の植村直己さんとともに現地の人たちに犬ぞりの使い方を教わった。78年4月に日大遠征隊の一人として日本人で初めて犬ぞりで北極点に到達、植村さんは直後に犬ぞりで世界初の単独での到達に成功した。
伝統的な暮らしを半世紀
大島さんは冒険後もシオラパルクに住み、猟師となってホッキョクグマやセイウチを追い、アザラシの皮やウサギの毛皮でブーツを作るなど自給自足の伝統的な暮らしを続けた。現地女性と結婚し、子や孫に恵まれた。
最後の来日となった2025年春、自らの人生を振り返りながら、気候変動や大国の脅威にさらされる北極の今を語っていた。近年は日本人の冒険家や氷河研究者らの支援も続けていた。



