総合警備業の「ALSOK茨城」(水戸市)で、契約時間よりも早く従業員を出社させ、始業時間まで「無給」の状態で業務をさせていたことが21日、分かった。水戸労働基準監督署の臨検(立ち入り調査)を受け、事実関係を認めた。未払い分の給与は該当する従業員に全額を支払うという。
現場責任者が独自に決めたルール
同社によると、茨城県内にある工場警備の現場で、始業時間の15分前から前任者との引き継ぎを始める運用が1年ほど前から続いていた。現場の責任者が独自に決めたルールで、職場内にも早く出社することを求める貼り紙を掲示していた。
労基署の指導とガイドライン
厚生労働省のガイドラインは「使用者の指揮命令下に置かれている時間」は労働時間と定めている。水戸労基署は「使用者の指示により業務に必要な準備行為をした時間は賃金を支払う義務が生じる」との趣旨の指導をしたとみられる。
給与の未払いは、元従業員の男性が水戸労基署に訴えたことで発覚した。男性を支援してきた高橋博信弁護士は「早く来るのが当たり前という職場環境のなか、従業員には給与が支払われていなくても言い出しづらい状況だった」と指摘する。
会社の対応と再発防止策
ALSOK茨城は、警備業大手「ALSOK」の100%子会社。ALSOK茨城は朝日新聞の取材に、会社の管理体制に不備があったと認め、年2回実施している研修や全社員への個別面談を通じて法令順守を徹底させるとした。