ノーベル平和賞を受賞した被爆者の全国組織「日本原水爆被害者団体協議会(被団協)」は10日、結成70年を迎え、長崎市で記者会見を開いて声明を発表した。声明では、核兵器のない平和な世界の構築に向けた行動を呼びかけた。
声明の内容
「ふたたび世界への挨拶」と題された声明では、被爆者が願い続けてきた「核兵器も戦争もない人間社会」を築くのは市民一人一人だと指摘し、「残されたいのちの限り訴え続ける」と述べている。
結成の経緯と歩み
1954年に米国の水爆実験で「第五福竜丸」の船員が被曝したことをきっかけに原水爆反対の機運が高まり、1956年8月、原水爆禁止世界大会の第2回大会が開かれた長崎市で被団協が結成された。援護制度の実現などを求めて運動を展開し、国内外で証言活動を重ね、「核のタブー」の確立に貢献したとして、2024年にノーベル平和賞を受賞した。
存続への課題
一方、被爆者の減少による組織の存続が課題となっている。今年6月の総会では、被爆2世や3世に運営を引き継ぐ案と解散する案を中心に、今後1年間で組織のあり方を議論することを申し合わせた。全ての都道府県の組織が加盟していたが、13道県で解散や休止している。
代表委員の田中重光さん(85)は、「国際情勢が緊迫化する中、核兵器は世界の人に普遍的に降りかかってくる問題。再び被爆者を生み出さないという思いを、若い世代へ引き継いでいきたい」と話した。



