岡山大発の新興企業「オンコリスバイオファーマ」(東京都港区)は25日、研究施設がある神戸市内で記者会見し、食道がん治療薬「テロメライシン」の販売を開始したと発表した。食道がんのウイルス治療薬は世界初となる。
がん細胞だけを破壊する仕組み
テロメライシンは、風邪の原因となるアデノウイルスの遺伝子を操作してがん細胞だけに感染し増殖、細胞を破壊する。正常な細胞への影響は少なく、患部に直接投与するため、外来治療が可能で長時間の手術も行わずにすむという。
岡山大などで行われた治験では、放射線治療との併用で患者の41.7%でがんが消失した。
高齢患者への期待と薬価
高齢や全身状態が低下して手術ができなかったり、抗がん剤が使えなかったりする患者への治療が期待され、6月に厚生労働省に承認された。薬価は1人当たり約930万円。国の高額療養費制度で患者の負担は抑えられるという。今月21日から販売を始めた。
今後の適用拡大へ
同社では今後、直腸がんや喉頭がんなどへの適用の拡大を目指す。記者会見で浦田泰生社長は「がんに効くだけでなく、患者さんのクオリティー・オブ・ライフ(生活の質)にも大きく貢献できる存在感のある薬にしたい」と話した。



