地球17周分を走って引退した路線バスが、山小屋風の休憩施設に生まれ変わった。筑波山京成ホテル(つくば市)で1日、県内初のノンステップバスを改造した「BUSルーム」がオープンした。ゆったりとした空間で雄大な筑波山を眺めたり、運転席に座って運転手気分を味わったりできる。
木の温もりあふれる車内
筑波山中腹のホテル前に止まる路線バスは今にも走り出しそうだが、乗車すると、壁や床に木材が敷き詰められたぬくもりのある空間が広がっている。木製のベンチ、後部には寝転がれるスペースがあり、大きな窓から筑波山を眺めることができる。
車両前方には運転席や運賃表示器、降車ボタンなどがそのまま残されている。運転席に座ってペダルを踏んだり、ウィンカーを動かしたりできるほか、実際に次の停留所を案内する車内放送などを体験できるという。
県内初のノンステップバスを再利用
このバスは元々、関東鉄道(土浦市)が2001年3月に県内で初めて導入した乗降口の段差がないノンステップバス「いすゞエルガ1809号車」だ。四半世紀にわたり地域の足として親しまれ、走行距離は70万キロ超。廃車となる予定だったが、ホテル宿泊者限定の「遊べるバス」として再出発した。
近年は廃車予定のバスを再利用する取り組みが全国各地で広がっている。東海自動車(静岡県伊東市)は23年、バスの後部をベッドに改装した宿泊施設をオープンさせた。新興企業「リバース」は中古バスを改造し、車内にサウナと休憩室を設けて貸し出している。
今後の展開
関東鉄道では年間約30台のバスが役割を終えて廃車となるが、その再利用策を模索してきた。同社は今回を第1弾と位置づけており、要望があれば別の場所に2台目以降の設置を検討する。企画を担当した竹内雅志さんは「たくさんの方に利用していただいたバスを懐かしみながら楽しんでほしい」と話した。
利用できるのはBUSルーム付きのプランを予約した宿泊者のみで、1日1組限定。問い合わせは筑波山京成ホテル(029・866・0831)へ。



