米マサチューセッツ州で3人の我が子を殺害した罪に問われている元看護師の被告の刑事裁判をきっかけに、産褥期精神病への関心が全米で高まっている。出産後の女性がまれに発症する重い精神疾患で、弁護側はこの病気を理由に無罪を主張している。
事件の概要と被告の状況
殺人罪に問われているのは、元看護師のリンジー・クランシー被告(36)。起訴状などによると、2023年1月、マサチューセッツ州ダックスベリーの自宅地下室で、5歳の長女、3歳の長男、生後8カ月の次男の首を絞めて殺害したとされる。
被告は直後に自らの手首と首を切って自宅2階の窓から飛び降り、脊髄を損傷して下半身まひの障害を負った。法廷には車いすで出廷している。
裁判の争点
被告は子どもの殺害を認めており、7月に始まった裁判では刑事責任能力の有無が争点になっている。「計画的な殺人だった」と主張する検察側に対し、弁護側は「被告は産褥期精神病を患い、自らの行為の違法性を理解できなかった」と無罪を訴えている。
「医療は母親を救えているか」「社会は育児の負担を放棄していないか」。裁判はそんな議論とともに波紋を呼び、全米の関心を集めている。



