市川染五郎、初役で一條大蔵卿「狂気、ハムレットと重なる」9月歌舞伎座
市川染五郎、初役で一條大蔵卿 9月歌舞伎座

市川染五郎(21)が、9月に東京・歌舞伎座で開幕する「秀山祭九月大歌舞伎」で「一條大蔵譚(ものがたり)」の主役、一條大蔵卿に初挑戦する。平家全盛の世を生き抜くため、阿呆を装う公家という難役だ。染五郎は、今年5~6月に主演したシェークスピア劇との共通点を挙げ、「ハムレットと重なる」と語った。

狂気を装う役柄の共通点

染五郎は「大蔵卿とハムレットは2役とも狂気を装う。身分的に恵まれているように見えるが、誰にも理解されない悲しさ、寂しさ、孤独感があり、哀愁を感じていただける大蔵卿にしたい」と抱負を述べた。

7月に早稲田大学で行われた舞台「ハムレット」を振り返る講演でも、2役の共通点に触れ、「様式的な所にきっちり心理描写を入れたい」と語った。

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3世代が演じた大蔵卿

「一條大蔵譚」は、義太夫狂言を得意とした初代中村吉右衛門、染五郎の大叔父にあたる二代目吉右衛門が得意とした演目。初代の俳名を冠し、顕彰する「秀山祭」にふさわしい作品で、父の幸四郎も平成30年の襲名時に演じた。6年前には祖父の松本白鸚も演じており、染五郎は「3世代が同時代に同じ役をやるのは歌舞伎以外にはない。その魅力を感じていただける」と話す。

初役の打診を受けた際は「父じゃないの?」と驚いたが、「初代は12歳、大叔父は15歳で初演した。焦りを感じるくらいの気持ちで演じたい」と前向きに受け止めた。賢と愚を表裏一体に見せる二重性や、舞の名手としての所作も求められる役どころだ。

秀山祭九月大歌舞伎は9月2~26日、歌舞伎座で上演される。

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