気象庁は、9月前半にかけて全国的に気温が高い状態が続くと予想している。厳しい残暑の中で、熱中症のリスクを下げるにはどうすればいいのか。サイエンスライターの飯銅重幸さんが、研究論文などを基に熱中症対策の最新事情を紹介する。
猛暑日は増加傾向、熱中症搬送も増加
気象庁によると、地球温暖化などの影響で、近年、最高気温が35度以上となる猛暑日の年間日数は増加する傾向にある。消防庁によると、近年、熱中症による救急搬送者の数も増加の傾向にある。
重症化すれば、命にも関わる可能性もある熱中症だが、その対策として最も大切なものの1つがこまめな水分補給だ。厚生労働省は「熱中症予防のための情報・資料サイト」において「室内でも、屋外でも、のどの渇きを感じなくても、こまめな水分補給を」と呼びかけている。
スポドリの多量摂取には注意が必要
環境省の「熱中症環境保健マニュアル2022」では、のどが渇く前にこまめに水分をとり、1日当たり1.2リットルを目安にするよう呼びかけている。大量に汗をかいた場合には、汗で失われた塩分も補える経口補水液やスポーツドリンクなどが適しているとしている。
ただし、スポーツドリンクの継続的な多量摂取には注意が必要だ。厚生労働省が2026年に開いた「職場における熱中症防止対策に係る検討会」では、スポーツドリンクには糖分が多く含まれ、ペットボトル症候群などによって糖尿病が重症化し、救急搬送されるケースがあるとの指摘が出ている。
消費者庁によると、経口補水液は脱水時の水分と電解質の補給を目的とした「病者用食品」であり、医師、薬剤師、管理栄養士などの指導に沿って利用するものとされている。



