肉球用アロエ乳液や暑さ警告バッジ…犬猫の熱中症対策グッズが多様化
肉球用アロエ乳液や暑さ警告バッジ…犬猫の熱中症対策グッズが多様化

近年の猛暑を受け、ペット用の暑さ対策グッズが次々と開発されている。犬や猫は熱くなった地面に近く、熱中症になりやすい。定番の冷感シャツや飲料のほか、肉球用の乳液、気温を感知して警告するバッジなど、多様化している。

特設コーナーに約300点

ペット専門店「ペットワールドアミーゴ つかしん店」(兵庫県尼崎市)の一角に設けられた特設コーナー。ひんやりするマットや衣類、塩分や糖分を含み体内への吸収が早い飲料など約300点の暑さ対策グッズが並んでいる。

同店によると、店頭に並ぶ商品は年々増加している。今年の売り上げは昨年より2割ほど多いペースだという。岡本隆志店長は「厳しい暑さが毎年続いてグッズの認知度が上がり、来店客が増えている」と話した。

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7月23日に来店した会社員(32)は犬と猫を1匹ずつ飼っており、「ペットを家に残す時はクーラーをかけ、散歩は涼しい夜に限っている。できることをしたい」と売り場を見て回った。

犬はリスク高い

日本動物愛護協会(東京)によると、犬や猫は体の位置が人間より地面に近く、照り返しの影響を受けやすい。熱中症になると、初期症状として、呼吸が荒くなったり、よだれが増えたりする。悪化すると、下痢や嘔吐、筋肉の痙攣などの症状が出る。ひどい場合は命を落とすこともある。

ペット保険を提供する「アニコム損害保険」(東京)の保険請求データに基づく分析では、昨年1年間の熱中症診療件数(犬と猫)は1630件。7月は519件、8月は385件で、両月で年間の大半を占める。室内で飼うことが多い猫に比べ、犬はリスクが高いという。

ユニークな新商品

ペット用品メーカーなどは商品の種類を増やしたり、ユニークな新商品を打ち出したりしている。「CHOCo」(東京)は2020年、犬用の首に掛ける冷却剤と冷感マットを発売。その後も多数の冷感衣類を開発し、現在、13種のクールグッズをそろえる。今年の出荷数は4年前の同期比で8倍に上る。

「ベルウッズ」(東京)は4月、犬や猫の肉球に塗る乳液を発売した。同社によると、散歩で高温の路面を歩くと、肉球をやけどするリスクがあり、放置すると手術が必要になることもあるという。乳液には、炎症を抑える効果があるアロエの成分を取り入れた。

印刷会社「スタジオ・ノア」(大阪府東大阪市)は5月、32度以上になると「暑いよ」と文字が浮かび上がるバッジを発売。地表近くの温度がわかるよう、犬に近いリードやハーネスに付けて使う。同社の上田章二社長は「SOSを発せられない犬の声を代弁できる」と話した。

飼い主への啓発も

飼い主の意識を高める取り組みも行われている。環境省は昨年6月、「防ごう!ペットの熱中症」と題した啓発用ポスターを作成。「直射日光のあたる屋外での係留」「車内放置」などのNG行為を紹介しており、都道府県や政令市などに配布した。

アニコム損害保険は2014年から自社のホームページで、ペット向けに「熱中症週間予報」を公表している。毎週、全国10都市の危険度を四つに分類している。

多数の熱中症事案を扱う動物病院「はしもと吹田アニマルクリニック」(大阪府吹田市)の橋本雄大院長は「早めに受診すれば助かる可能性が高まる。『軽い症状だから大丈夫』と思わず、すぐに病院に連絡してほしい」と語る。

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