肩こり、腰の重だるさ、足の冷えやむくみ——日常のちょっとした不調は、ラジオ体操の動きで解消することができます。NPO法人全国ラジオ体操連盟理事長でNHKラジオ体操指導者の鈴木大輔先生は、この活用法を「ちょいラジ」と呼びます。「体の不調の多くは、動かない時間が続くことで起きます。ラジオ体操の動きは体への負荷が小さく、どこでもできる。だからこそ、日常のリセット運動として最適なんです」と鈴木先生は語ります。
肩こりがひどいとき:肩甲骨を動かすだけでこりは消えていく
肩こりの本当の原因は、肩甲骨まわりの血行不良です。デスクワークや前かがみの姿勢が続くと、肩甲骨まわりの筋肉が固まって血流が滞り、重さや痛みが生まれます。「肩をもんでもすぐ元に戻る」という方は、根本にある「肩甲骨の動き不足」を改善していないからかもしれません。以下の2つの動きは、肩甲骨を直接動かして血行を改善する、即効性の高い組み合わせです。
ラジオ体操第一③「腕を回す運動」
腕を「真横から真上」という弧を描くように大きく回します。ひじをできるだけ伸ばし、肩関節を中心に大きな円を描くイメージで。腕の重さと遠心力を使い、力を抜いて回すことで、肩甲骨まわりの筋肉が連動して動き出します。日常生活で腕を真横に大きく回す機会はほぼありません。だからこそ、この動きを意識的に行うことが、慢性的な肩こりへの直接的なアプローチになります。
ポイント:腕を「前後」に振ってしまうのが最もよくある失敗です。軌道が「真横から真上」からずれると、肩甲骨が動かず、効果がありません。「大きく、ゆっくり、力を抜いて」を意識してください。
腰が重だるいとき:「前後曲げ」と「ねじり」で腰まわりをリセット
腰の重だるさは、長時間同じ姿勢を続けることで腰まわりの筋肉が緊張し、血流が悪くなることで起こります。ラジオ体操第一の「体を前後に曲げる運動」と「体をねじる運動」は、腰まわりの筋肉を伸ばし、ほぐす効果があります。
体を前後に曲げる運動
両脚を肩幅に開き、両手を腰に当てます。ゆっくりと上体を前に倒し、腰の後ろ側の筋肉を伸ばします。次に、上体を後ろに反らし、腹筋を伸ばします。前後にゆっくりと動かすことで、腰まわりの血行が促進されます。
体をねじる運動
両脚を肩幅に開き、両腕を水平に上げます。腰を軸に上体を左右にねじります。このとき、骨盤は動かさず、上半身だけをねじるのがポイントです。腰の側面の筋肉が伸び、硬直がほぐれます。
足の冷え・むくみが気になるとき:ふくらはぎの「ポンプ」を目覚めさせる
足の冷えやむくみは、ふくらはぎの筋肉ポンプがうまく働かず、血液やリンパ液の流れが滞ることで起こります。ラジオ体操第一の「腕と脚を曲げ伸ばす運動」は、ふくらはぎの筋肉を積極的に動かし、血流を改善します。
腕と脚を曲げ伸ばす運動
両腕を肩の高さで水平に伸ばし、両脚を肩幅に開きます。腕を曲げて胸の前に引き寄せると同時に、片脚を曲げて膝を上げます。その後、腕と脚を元の位置に戻します。この動きを交互に行うことで、ふくらはぎの筋肉が収縮と弛緩を繰り返し、ポンプ作用が活性化されます。
「ちょいラジ」を続けるための3つのコツ
鈴木先生は、ちょいラジを習慣化するためのコツを3つ挙げています。
- 1. 毎朝3分だけと決める:長くやろうとすると続かないので、短い時間で区切ることが大切です。
- 2. テレビを見ながらやる:ながら作業で行うことで、負担なく習慣にできます。
- 3. 不調を感じたらすぐやる:肩こりや腰痛を感じたその瞬間に、ちょいラジを行うことで効果を実感しやすくなります。
ちょいラジは、特別な道具や場所を必要とせず、誰でも手軽に始められる健康法です。日々の不調を感じたら、ぜひラジオ体操の一部を取り入れてみてください。



