乳がんの局所再発手術後にホルモン療法を受けている70代後半の女性が、担当医の説明が少なく不安が募っていると、「がん電話相談」に寄せた。がん研有明病院乳腺内科部長の高野利実医師が、治療の目的を共有し納得できる選択が重要だと助言した。
15年ぶりに再発、手術待ちで5カ月無治療
平成19年、右乳房に小さいしこりが見つかり乳がんと診断され、乳房部分切除術と放射線療法を受けた。リンパ節転移はなく、その後は経過観察だった。しかし15年後の令和4年11月、同じ右乳房に再びがんが見つかった。
右乳房全摘術を予定していたが、ほかに手術待ちの患者が多く、約5カ月間無治療で過ごした。その間にしこりは大きくなり皮膚表面まで達し、右わきの下のリンパ節にもしこりが現れた。担当医からは手術ができなくなったと告げられた。
令和5年4月からは、ホルモン療法のレトロゾール(フェマーラ)と分子標的薬のパルボシクリブ(イブランス)による内服治療が始まった。
手術後も薬物療法を継続、担当医との対話不足が課題
1年4カ月の内服治療でしこりは小さくなり、令和6年7月に右乳房全摘術とリンパ節郭清術を受けた。病理検査ではホルモン受容体陽性、HER2陰性のルミナル型で、リンパ節転移は6個あった。
術後は抗がん剤のEC療法とドセタキセルを各4コース受け、令和7年4月からレトロゾールと分子標的薬のアベマシクリブ(ベージニオ)の内服治療を開始。パルボシクリブを既に使っていたため、アベマシクリブは8カ月で終了となった。
高野医師は「パルボシクリブとアベマシクリブは似た薬ですので、そのような考え方も理解できます。ただ薬の選択よりも問題なのは担当医とのコミュニケーション不足です」と指摘。「治療を行う目的を共有し、しっかり話し合って納得できる選択が重要です。不安な気持ちも医療者との対話で和らぐことがあります」と話す。
その上で、「担当医とうまく話せないなら看護師ら他のスタッフに頼るとか、がん相談支援センターに相談してみてはどうでしょうか」と提案した。
「がん電話相談」(がん研究会、アフラック、産経新聞社の協力)は毎週月~木曜日(祝日・振替休日を除く)午前11時~午後3時に実施。電話は03・5531・0110、03・5531・0133。相談はカウンセラーが無料で受け付け、内容は医師が検討し匿名で紙面やデジタル版に掲載されることがある。



