タイ下院は27日、同性婚を合法化する結婚平等法案を圧倒的多数で可決した。アジアでは台湾に次いで2カ国目となる。この法案は、婚姻を「男女」から「個人」に定義を変更し、同性カップルに結婚の権利を与えるものだ。
法案の内容と可決までの経緯
下院での採決は賛成400、反対10、棄権2という大差で可決された。この法案は、婚姻の定義を「男性と女性」から「二人の個人」に変更することを柱としている。また、同性カップルに異性カップルと同等の権利を認める内容で、養子縁組や相続権、税金控除なども含まれる。
タイは長年、LGBTQコミュニティに対して比較的寛容なイメージがあるが、法律上の保護は限定的だった。今回の法案は、2022年に施行された同性パートナーシップ法をさらに発展させたもので、完全な結婚の平等を実現する。
今後の手続きと施行時期
法案は今後、上院での審議と承認を経て、国王の裁可を受ける必要がある。上院でも可決される見通しが強く、年内にも成立する可能性がある。成立後、公布から120日後に施行される予定で、早ければ2025年初頭にも同性婚が可能となる。
ピタ・リムジャローンラット前進党党首は「この日はタイの歴史において大きな一歩だ。すべての人が愛する人と結婚できる平等な社会に向けて前進した」と述べた。また、LGBTQ活動家のアヌチャ・シリピパット氏は「長年待ち望んだ瞬間。タイがアジアのリーダーとしてLGBTQの権利を示すことができる」と歓迎した。
アジアにおけるLGBTQの権利
アジアでは、台湾が2019年に同性婚を合法化したのが初めてで、タイが2カ国目となる。一方、日本や韓国などでは同性婚は認められておらず、法的保護も限定的だ。東南アジアでは、ベトナムが2015年に同性婚の罰則を撤廃したが、法的に認められているわけではない。
タイの今回の動きは、隣国カンボジアやラオスにも影響を与える可能性がある。国際的なLGBTQ権利団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」のタイ担当者は「タイの決定は地域全体に波及効果をもたらすだろう」とコメントしている。
社会の反応と今後の課題
タイ国内では、仏教僧侶や保守派から反対の声も上がっているが、世論調査では国民の過半数が同性婚合法化を支持している。バンコクでは法案可決を祝う集会が開かれ、参加者は虹色の旗を振って喜びを表現した。
しかし、完全な平等にはまだ課題も残る。例えば、養子縁組の手続きや医療における配偶者の同意権など、実務面での整備が必要だ。政府は今後、関連法の改正や行政手続きのガイドライン作成を進める方針を示している。



