世界で子供のSNS利用を制限する動きが進んでいる。オーストラリアでは2025年12月に法律が施行され、16歳未満のSNSアカウント保有が原則禁止となった。SNS事業者には年齢確認などの「合理的な措置」が義務付けられ、違反した事業者には最大4950万豪ドル(約55億円)の罰金が科される。政府は今年6月、罰金の最高額を倍にする方針も発表した。
規制の背景と「抜け道」
子供が犯罪に巻き込まれたり、SNSをやめられなくなったりする例が報告されていることが規制の背景にある。オーストラリアでは保護者や利用する子供に罰則は設けず、事業者側に年齢確認を求めている。しかし、事業者が年齢確認をしても、嘘をついてアカウントを作成したり、他人のアカウントを流用したりする「抜け道」が指摘されている。
実際、オーストラリアでは法規制後も12~15歳の85%以上が何らかの形でSNSを利用しているという調査結果があり、事業者側の対策が不十分との指摘もある。
世界と日本の動き
マレーシアとインドネシアも16歳未満の利用を禁止した。欧州連合(EU)も13歳未満は保護者の監督がなければ利用を認めない方針を示している。
日本では、こども家庭庁が青少年インターネット環境整備法の見直しを進めている。有識者会議の報告書では、年齢制限の導入を検討する方針が初めて示された。同法は18歳未満の子供が安全にインターネットを利用できるよう、保護者の責務や事業者の対応を定めた法律で、2008年に施行された。こども家庭庁は来年の通常国会での改正案提出を目指している。
SNS規制を巡る課題
規制を巡っては、情報を得る機会を奪う恐れがあるなど慎重論も根強い。SNSは身近な人に相談しにくい悩みを共有できる場ともいえる。
その一方で、大人でさえ傷ついたり誤った情報に惑わされたりする空間に、判断力や自制心が発達の途上にある子供たちが日常的に触れている現実を重く受け止める必要がある。事業者が刺激の強い投稿を次々に表示する「依存させる仕組み」を改めるべきだとの指摘もあり、日本も実情に合った規制の在り方を探っていく必要がある。



