帰省で気づく親の衰え、チェックポイント公開 7割が違和感
帰省で気づく親の衰え、チェックポイント公開 7割が違和感

お盆の帰省シーズンは、離れて暮らす親子が久しぶりに対面する貴重な機会だ。日頃の電話やメールでは元気そうでも、実際に会うと「なんだか年を取ったな」と感じることもあるだろう。老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」を運営するLIFULL senior(東京)の調査では、別居する親と対面した際に「衰え」や「違和感」を感じた人が7割超に上った。同社は帰省時に確認すべき「親の衰えチェックポイント」をまとめ、受診や介護の検討に役立てるよう呼びかけている。

7割超が親の衰えを実感

同社が先月中旬に発表した「帰省時の親の衰え・違和感についての意識調査」は、離れて暮らす親と直近1年以内に対面した650人の男女を対象にインターネットで実施された。それによると、別居する親と対面した際に「衰え」や「違和感」を感じた人は、「強く感じた」(28.2%)と「多少感じた」(46.0%)を合わせて74.2%に達した。

衰えや違和感を感じた点(複数回答)で最も多かったのは、「足元がふらつく」「歩くのが遅くなった」などの「歩行・運動機能」で68.0%。次いで「同じ話を繰り返す」「物忘れが増えた」などの「記憶・認知機能」が51.7%、「体力」が45.4%、「気力・精神面」が26.8%と続いた。

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対応は「様子見」が最多、専門機関への相談は少数

親の衰えを感じた人の対応(同)は、「特に何もせず、様子を見た」が39.6%で最多。以下、「親に体調や生活の様子を詳しく聞いた」33.8%、「連絡や訪問の頻度を増やした」19.5%の順で、多くの人が家族内での対応にとどまっている。「医療機関への受診や検査を勧めた」は13.1%、「介護サービス、施設について調べた」は9.3%と、家庭外の対応を求めた人はわずかだった。

「特に何もせず様子を見た」と答えた人に理由を尋ねると、「まだ対策が必要な段階ではないと思った」(43.2%)、「指摘すると拒絶される」(12.6%)、「親のプライドを傷つける」(12.1%)などが挙がった。親への遠慮や心理的ハードルから行動に移せない人が少なくないようだ。

帰省後の問い合わせ増加、チェックポイントを確認

同社によると、例年お盆明けには老人ホームへの問い合わせが通常より約3割増加する傾向がある。帰省をきっかけに親の状態が「放置できない」と気づく人が多いことを示している。

「LIFULL 介護」編集長の小菅秀樹さんは「親のサインを見逃さないためのチェックポイント」をまとめた。複数当てはまる場合や以前より明らかに状態が悪化している場合は、医療機関や地域包括支援センターへの相談、介護保険の申請、在宅サービスや施設入居の検討を始めてほしいとしている。

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身体機能面のチェックポイント

  • 転倒、つまずき、ふらつきが増え、一人での移動に不安がある
  • 入浴、着替え、トイレ、立ち上がりなどに見守りや手助けが必要
  • 階段や段差の移動が難しく、自宅内での生活動線に危険がある
  • 外出、買い物、通院を一人で行うのが難しい
  • 食事量が減った、体重が落ちたなど栄養状態に不安がある
  • 掃除、洗濯、調理、ゴミ出しなどの日常的な家事が回らない
  • 夜間のトイレ移動や失禁が増え、本人や家族の負担が大きい
  • 病気やけがの退院後、自宅での生活継続に不安がある
  • 一人暮らしで、転倒や急変時に助けを呼べないリスクがある
  • 家族の訪問や電話だけでは安全な生活を支えきれない

認知機能面のチェックポイント

  • 同じ話や質問を繰り返し、約束や予定を忘れることが増えている
  • 薬の飲み忘れ、飲み間違い、通院忘れがあり健康管理に不安がある
  • 火の消し忘れ、鍋焦がし、戸締まり忘れなど安全面のリスクが出ている
  • お金の管理、支払い、契約手続きが難しくなっている
  • 料理、掃除、片づけ、買い物など、以前できていた家事にミスが増えている
  • 慣れた道で迷う、帰宅に時間がかかるなど外出時の不安がある
  • 食事をしたことを忘れる、同じ食品を買い込む、賞味期限切れの食品が増えている
  • 怒りっぽい、疑い深い、不安が強いなど性格や感情面の変化が目立つ
  • 身だしなみ、入浴、着替え、掃除への関心が低下している
  • 本人が支援を拒み、家族だけでは受診や生活改善につなげにくい

介護の予兆を見逃さないために

小菅さんは「介護は突然始まるように見えますが、多くの場合は日頃のサインから予兆を読み解くことができます。認知症や骨折・転倒の予兆や異変を軽視して放置してしまうと、ある日突然、深刻な介護状態に陥り、慌てて施設探しや介護サービス契約を迫られることになりかねません」と話す。

子どもから衰えを指摘されると、素直に認めたくなく「自分はまだ大丈夫」と言い張るケースも少なくない。小菅さんは「親御さん本人が『大丈夫』と言っても、日頃から心配していることや感謝の気持ちを伝え、相談しやすい関係を築いておく必要があります。状況に応じて、早めに地域包括支援センターや医療機関に相談し、在宅介護サービスや施設入居などの選択肢を確認しておきましょう」とアドバイスする。

親の衰えにスムーズに対応するには、離れて暮らしていても日頃から親子でコミュニケーションをしっかり図っておくことが大切だ。