元首相・羽田孜氏の後援会「千曲会」は、長野県上田市を中心にネットワークを張り巡らせ、「民主王国」と呼ばれた長野を陰で支えてきた象徴的な組織だ。しかし、今年2月の衆院選で立憲民主党の前職4人がすべて落選し、旧民主党系勢力の衆院議員がゼロになる事態となった。連載「どぶ板選挙の曲がり角」では、千曲会を通じて、いまの選挙の模様を描く。
新盆回りで支援者宅を訪問
参院議員で立憲民主党長野県連副代表の羽田次郎(57)は、お盆の8月13日、観光客らが行き交う別所温泉(長野県上田市)を秘書と一緒にワンボックスカーで回った。この1年間に亡くなった人のいる支援者宅を回る「新盆回り」だ。
親戚らが集まる家で、お盆用の祭壇に線香を上げ、手を合わせた。亡くなった男性の家族には「(遺影は)いい笑顔ですねえ。よくお茶を飲みにうかがって、いろいろご意見もちょうだいしました」と言葉をかけた。
1軒当たりの滞在時間は数分間。再び車に乗り込み、次の家に向かう。お盆の11~13日には、計約50軒の支援者宅を回った。
「壊滅的大敗」と総括した衆院選
今年2月の衆院選では、立憲民主党から中道改革連合に移った前職4人がすべて落選し、比例復活すら果たせなかった。1996年に小選挙区比例代表並立制が導入されて以降、新進党から連なる旧民主党系勢力の衆院議員がいなくなったのは初めてだ。
立憲県連は今回の総選挙を「壊滅的大敗」と総括した。5月31日にあった立憲県連の定期大会で、代表の杉尾秀哉(68)は「この30年で最大の痛恨事。心よりおわびします」と党員らを前に頭を下げた。
有権者の反応は厳しいままだ。新盆回りでも「高市政権への…」という声が聞かれる。