日米首脳会談を直前に控えた2025年2月、石破茂首相は森友学園問題の公文書不開示を違法とした大阪高裁判決を受け、上告を見送り、開示を認める政治判断を下した。政権内には上告すべきとの意見もあったが、石破氏は「ご遺族の思い、亡くなった赤木さんの御霊に応えるのは、人として当たり前のことと思っていた。財務省からも抵抗はなかった」と振り返る。
支持率40%に回復も、商品券問題で暗転
この判断は世論に支持され、直後の朝日新聞世論調査では内閣支持率が40%に回復。少数与党で成立が見通せなかった25年度当初予算案も、2月に日本維新の会と高校無償化で合意し、賛成を取り付けた。
上昇気流をつかみかけた矢先の3月3日、首相公邸で開いた衆院初当選議員15人との懇親会で、石破氏の事務所側が参加議員に大手百貨店の紙袋に入った商品券10万円分を渡していたことが明るみに出た。3月13日夜、朝日新聞がこの事実を報じ、政権は失速する。
安倍路線からの転換、石破氏の真意
石破氏は安倍政権下で発覚した森友学園問題について「安倍さんに対してどうこうということは全くない。国家に対する信頼の問題だ」と述べ、安倍路線からの転換を意識したものではないと強調した。
連載「異色の政権 検証・石破政権」では、石破前首相への計4時間のインタビューと、当時の政権幹部や与野党関係者ら十数人の証言をもとに、石破政権の1年を検証している。支持率が上向いた直後の「土産」問題で低空飛行に転じた政権をめぐり、動き始めた高市早苗氏の存在が今後の焦点となる。



