沖縄県知事選で、保守系の新人で元那覇市副市長の古謝玄太氏(42)が新たなリーダーに選ばれた。県政史上最年少となる新知事に期待される役割とは何か。投開票から一夜明けた14日、有権者たちから聞かれたのは、政治的な理念以上に、いま、そこにある「現実」を直視する政治を求める声だった。
「国と意思疎通を」求める声
「今より効果的な予算執行を」「国とほとんど意思疎通を図れていないと感じていた。未来が見えなかった」。現職の玉城デニー氏(66)の県政運営にこう不満を漏らした那覇市の無職男性(57)は古謝氏に票を投じた。重視したのは、古謝陣営が選挙戦でアピールした政府・与党などとの太いパイプだった。
沖縄県の経済状況は芳しくない。元総務省官僚という古謝氏の経歴も支持する決め手になった。「今よりも効果的に予算を使ってくれるという期待もあった」と話す。
辺野古移設と県民生活への視線
米軍普天間飛行場(宜野湾市)の名護市辺野古移設について、玉城県政は政府と対立姿勢を貫いてきた。しかし、移設を巡る国と県との法廷闘争は県側の敗訴で決着し、工事は着々と進む。普天間飛行場に近接する認定こども園に子供を預ける宜野湾市の40代の女性会社員は、騒音問題などを念頭に「(知事交代で)すぐに基地がなくなるとは思わないが、一日も早く返還を実現してもらいたい」と話した。
理念先行とも受け止められる県政に、冷ややかなまなざしを向ける県民も少なくない。豊見城市の会社役員の40代女性は、米軍基地問題の是非を重視しなかった。沖縄は1人当たりの県民所得が全国最低水準で、「辺野古の移設よりも県民生活に目を向けてほしい」との思いがあったからだ。古謝氏を支持した浦添市の派遣社員の20代女性も「県民所得の倍増というフレーズが投票の決め手になった」と話した。
若さへの期待と現役世代支援の要望
今回の知事選の投票率は61.57%に達し、令和4年の前回選を3ポイント以上上回り、県民の関心の高さがうかがえた。玉城氏よりも20歳以上若い古謝氏の年齢に期待を込めた有権者も多かった。「フレッシュな目線で政策を進めてほしい」。那覇市の無職女性(89)はこう強調した。
5歳の子供を育てる那覇市の40代の女性会社員は、「(玉城氏の県政に)何がダメだったかといわれると、難しい。それ以上に、新しいリーダーの下で県政を前に進めることが必要だと思った」と語った。ひとり親世帯ならではの事情も判断材料の大部分を占めたといい、「子供が大きくなるにつれて必要になるお金も増える。同世代として、新しい知事には現役世代を支援する施策を充実させてほしい」と要望した。



