政府は、国家公務員の離職対策や人材確保に向けた取り組みを強化している。退職などに伴う中堅世代の不足が深刻化しており、理由を問わない「無給休暇」の新設や原則として60歳で管理職から外す「役職定年制」の見直しなど、制度・待遇面の改善を図り、公務の担い手を継続的に確保したい考えだ。
無給休暇の新設と手当の見直し
人事院は今月7日に行った勧告で、年7日の無給休暇を2027年度に新設するよう求めた。中堅世代が直面する育児や介護などでの利用を見込む。離職の一因となっている転居を伴う異動を巡っては、経済的な負担を軽減するため、単身赴任者に加え、家族同伴や独身者への手当の新設を促した。
内閣人事局も7月、「多様な人材の活躍」や「働きがいの向上」などの4本柱の改革案を発表した。育児や介護、60歳超の再任用に限って認められている短時間勤務について、対象拡大に向けた検討に入ることを盛り込んだのが特徴だ。30年中に結論を出し、仕事と育児・介護を両立できる環境を整備する。
中堅世代の割合低下と高齢職員の活用
こうした対応の背景には、働き方への不満などを理由にした若い世代の「国家公務員離れ」がある。「キャリア官僚」と呼ばれる幹部候補のうち、採用から10年未満の退職者は増加傾向にあり、14年度は66人だったが、23年度は203人に上った。09~12年の民主党政権で新規採用を抑えた影響もあり、実務の中核を担う30~40歳代の割合は16年度の53%から25年度は42%まで低下した。
中堅世代の層が薄くなったため、豊富な経験と知識を持つ60歳超の職員の重要性が増している。国家公務員の定年は60歳から段階的な引き上げの途中で、31年度には65歳となることも踏まえ、高齢の職員に意欲的に働いてもらう取り組みを進める。
給与・役職定年制の見直し
給与水準を原則として60歳時点の7割に引き下げる措置を見直すほか、役職定年制は廃止も視野に検討し、30年までに国家公務員法などの改正を目指す。
人事院の川本裕子総裁は、「人材確保のためには、給与、働き方、人材育成、採用などを一体として見直す必要がある」と強調している。



