「眠っていない自覚」の上司が職場を蝕む:睡眠不足と3つの行動管理
睡眠不足が上司と組織に与える影響とは

高市早苗総裁が7月20日、自身のX(旧Twitter)で「総裁就任以来、0〜3時間睡眠が常態化」と投稿し、大きな波紋を呼んでいる。2025年11月の参議院予算委員会でも、最近の睡眠は「大体2時間から、長い日で4時間」と答弁しており、就任から9カ月にわたり0〜4時間の睡眠が続いていることになる。

睡眠不足がもたらす悪影響

責任ある立場にある人にとって、睡眠不足は本人だけでなく組織全体に悪影響を及ぼす。厚生労働省の「国民健康・栄養調査」(2023年)によると、睡眠時間が6時間未満の人は男性38.5%、女性43.6%。男性の30〜50代に限ると4割を超える。また、働きすぎの実態も浮かび上がる。過労死等防止対策調査では、週60時間以上働く法人役員は9.3%に上り、いわゆる「過労死ライン」(月平均80時間以上の時間外労働)に相当する水準だ。

睡眠不足による真のコストは、単なる眠気や疲労感ではない。睡眠不足に関する代表的な研究であるヴァン・ドンゲン氏らの実験では、1日6時間睡眠を2週間続けた被験者の認知機能は、「2日間徹夜した状態」に匹敵するまで低下した。注目すべきは、眠気の度合いが途中で頭打ちになったことだ。被験者は「多少眠い」程度にしか感じていないのに、客観的な成績は下がり続けていた。慢性的な睡眠不足の状態では、眠気に慣れ、能力だけが低下する。「自分は多少眠くても大丈夫」という感覚は、実は強がりではなく本心なのだ。だからこそたちが悪い。特に「判断の質」そのものが成果物である経営者や管理職にとって、これは致命的な問題といえよう。

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健康リスクと組織への影響

もちろん健康上のリスクもある。睡眠時間が6時間未満の状態が続くと、脳卒中や心筋梗塞、糖尿病などのリスクが高まることが多くの医学研究で示されている。代替が難しい経営者の身体に、睡眠不足は深刻なダメージを与えうる。

睡眠不足は「伝染する病」とも言われる。上司の睡眠不足は判断力の低下を招き、それが部下の負担増や組織全体のパフォーマンス低下につながる。本記事では、睡眠不足が引き起こす仕事・健康・組織への影響と、実践すべき3つの行動管理について解説する。

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