7月17日、改正皇室典範が国会で可決・成立した。1947年の制定以来初の実質改正で、7月24日に公布、3カ月後に施行される。皇室史に詳しい宗教学者の島田裕巳氏は「改正作業があまりに強引に進められたため、高市政権は世論の支持を失った」と指摘する。
内閣支持率急落と世論の反発
改正は自民党の麻生太郎副総裁主導で進められたが、その直後から高市早苗内閣の支持率は急落した。毎日新聞の全国世論調査では、旧宮家から養子を迎え生まれた男子に皇位継承資格を与えることへの賛成は26%にとどまり、反対の41%を下回った。18、19日の調査では内閣支持率が41%に下落し、2025年10月の発足以来最低を記録。不支持率は44%で初めて支持率を上回った。静謐な環境での審議や立法府の総意が軽視された影響が大きいとみられる。
麻生副総裁の最大の誤算
島田氏によれば、麻生氏にとっての最大の誤算は世論の支持を失ったことではない。旧宮家の男子という天皇家にとって“赤の他人”を養子に迎えるよりも、女性天皇に道を開き愛子内親王を天皇に即位させたほうが好ましいという国民の期待を、今まで以上に高めてしまったことだ。これほど「愛子天皇」待望論が力を得たことは過去になかったと島田氏は言う。
愛子内親王の皇位継承資格への注目
皇室典範は皇位を男系で継承すると定めており、愛子内親王はこれまで天皇に即位できなかった。しかし改正の動きが具体化するまで、国民の間でその事実は十分に認識されていなかった。各新聞社が女性天皇・女系天皇容認の割合が高いと繰り返し報じたことで、愛子内親王に皇位継承資格がないことに注目が集まった。
一方、旧宮家の存在が急浮上した。11の宮家が臣籍降下したのは1947年で、その時代を知るのは高齢者だけ。歴史教科書でも戦後の民主化政策の一環として触れられる程度だ。



