沖縄県知事選(9月13日投開票)が27日に告示される。現職で3選を目指す玉城デニー氏(66)と新人で前那覇市副市長の古謝玄太氏(42)を軸に、新人で元郵政改革相の下地幹郎氏(65)が絡む構図になりそうだ。基地問題を巡って政府と対立を続けるのか、協調に転じるのか――。県民の関心が基地問題から目の前の暮らしに移る中、国政にも影響を及ぼす決戦の現場を報告する。
12年ぶり保守県政奪還へ
「古謝さんは県民の手取りを2倍にすると公約に掲げている。勝って実現させようではありませんか」。那覇市で7月末に行われた新人・古謝氏の政治資金パーティー。壇上から沖縄県経済界の重鎮が気勢を上げると、会場から大きな拍手が湧き起こった。
12年ぶりの保守県政奪還を託された古謝氏は「停滞と分断の県政を変え、一致団結して沖縄を前に進める」と熱弁を振るい、深々と頭を下げた。
古謝氏は大票田・那覇市の出身。高校時代は野球部に所属し、東京大に在学中に同大の「沖縄県人会」を発足させた。就職先がないなどの理由で地元に戻れない同世代の若者を見て、県知事を志した。総務官僚になり、長崎県や岡山県に出向して地方自治の現場経験を積んだ。
大学時代に沖縄県選出の自民党国会議員の事務所でインターンをした縁もあり、2022年の参院選沖縄選挙区に自民公認で出馬。ほぼ無名ながら27万票余りを獲得し、基地問題で政府と対立する「オール沖縄」勢力の現職に2888票差まで迫った。
落選後、那覇市副市長に就任。経済界の会合に頻繁に顔を出し、首長選では保守系候補の応援に駆けつけて露出度を高めていった。知事選の白羽の矢が立ったのは今年1月。経済団体や首長らでつくる選考委員会に担がれた。
現職への不満が根強い経済界
「県政が沖縄振興を阻害している」。経済界にはオール沖縄勢力の現職・玉城氏への不満が根強い。26年度の沖縄振興予算は2647億円。玉城氏が初当選した18年度より約360億円減った。



